「紆余曲折」という言葉で中国とタイの鉄道協力を形容するのは少しも行き過ぎではない。2005年頃に中国の「汎アジア鉄道」構想が打ち出されてから、タイはこの構想にどうにかして便乗しようとしてきた。しかしタイの政情不安のため何度か取り止めになり、その一方でタイは競合相手の日本との間で態度をはっきり決めかねていた。2015年12月19日にタイ・アユタヤ県のチアンラックノーイ駅で立ち上げ式典が行われたことで、中国とタイの高速鉄道協力がようやく始まり、中国タイ間の友好協力と相互往来にとって明るい見通しが立った。
紆余曲折という言葉は、タイが協力相手として中国を選ぶまでの深思熟慮を体現しており、中国の鉄道が技術と実力の面で最終的に完勝したことを表すものでもある。このところ海外メディアは「中国タイ鉄道協力プロジェクトに暗雲」といったニュースをたびたび伝えているが、タイのアーコム運輸相は25日、「タイはこの鉄道建設で、中国製車両の購入、中国の信号システム採用、中国人エンジニアの雇用などで今後も中国と協力していく」と述べている。
明らかに、中国タイ鉄道の着工は一部の「ギャラリー」の利益を損ね、ひいては虚に乗じていざこざを起こそうという気にすらさせている。「汎アジア鉄道」の一部分である中国タイ鉄道は「互恵・ウィンウィン」の道である。中国タイ鉄道は中国の鉄道が東南アジアへと進出する道を切り開き、中国と東南アジア諸国の相互連結性のために基盤を築くことができるが、この鉄道がタイにとっても深遠な意義を持つことを見落としてはならない。中国タイ鉄道はタイ北部辺境のノーンカイと首都バンコクを結んでおり、タイにとって「歴史的」な鉄道工事であるだけでなく、富をもたらす道でもある。こうして見てみれば、中国タイ鉄道の建設が延期されてより焦っているのは中国ではなくタイであることは明らかだ。