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「共に未来へ」で世界の対立を打ち破る
拓殖大学教授・富坂聰  ·   2022-02-15  ·  ソース:人民中国
タグ: 冬季五輪;アジア;社会
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2022年北京冬季五輪のメインテーマは「共に未来へ」。しかし残念ながら、世界は分断という方向にドライブがかかっている。その負のエネルギーが行き着く先は、誰にとっても不幸なものだということは分かってはいるものの、目の前の対立で生まれる小さな利益に皆が群がるのが現状だ。西側の一部の国による外交ボイコットもその一環で、国内向けのアピールという意図が強かったと感じられた。だからこそ、分断の促進剤が世界にあふれている今、「共に」というキーワードを発信していくのは非常に大事なことだと感じている。

「調和」と「共生」が色濃い開会式

今回の五輪開会式のパフォーマンスは、中国のソフトイメージをアピールし、優しい側面を見せていくという点においても、非常に良い演出だったと思う。例えば冒頭の二十四節気によるカウントダウンなどは、見る人に深い印象を与え、大自然と人類の共生という感情を呼び起こしたことだろう。共感は安心感につながるものだから、中国に興味がない人々の共感をより多く得ることができれば、中国理解を底上げし、対立を打ち破ることができるはずだ。

日本では開会式にドローンを使った演出が行われるだろうと盛んに言われていた。どこかで人をびっくりさせるようなものすごい技術を出してくるのではと予想していたのだが、それがないまますっきりと終わり、全体的に派手さを抑えた、抑制の効いた演出が印象的だった。発展、テクノロジー、機械などの先端技術よりも、「人」にフォーカスした開会式だったと感じられた。

最も強く感じられたコンセプトは、やはり最後まで貫いた「調和」と「共生」の理念だろう。とにかく発展すればいいという前段階から一歩進んで、新たな段階に達した中国を見せてくれた気がする。胡錦濤の時代から「調和」がキーワードになることは何度もあったが、実際は目の前の発展を実現せねばという色彩が強かった。中国はその段階を終え、いよいよ本格的に調和を目指す時代になったということだろう。

08年の北京五輪の開会式は、ぐいぐいと前のめりにアピールする感が強く、中国はすでに近代史の中国ではない、近代史はここで終わったというメッセージを一生懸命伝えようとしているのが伝わってきた。しかし今回は、中国の未来の姿や方向性を存分に世界に示した。

「アジアの世紀」に向けて団結を

中国のみならず、日本、韓国、さらにはアジアの全てが、対立がまん延する激動の時代において、自国や地域の未来への方向性について真剣に考える時期を迎えている。

米国が14~15年頃から明確にアジアにシフトしてきた。近年、米国が報道する内容にはかなりアジアが増えてきている。それに象徴されるように、今後も世界的にアジアシフトが起こり、アジアに富が集中する時代を迎えていくだろう。それが続くことで、アジア諸国から高レベルで発展する国が続々出てくることが予想できる。

18年の平昌冬季、20年の東京、そして今回の北京冬季と、日中韓3カ国は相次いで五輪を開催した。このことは私には、「アジアの世紀」を迎える象徴の一つのように思える。過去まれに見る良い時代を迎えつつあるアジア諸国は、自分たちでその好調をコントロールすることが必要だ。そのためには、世界にまん延する対立の制御が喫緊の課題だと強く感じている。

(王朝陽=聞き手 構成)

「人民中国」2022年2月15日

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