このほど、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が発見され、世界保健機関（ＷＨＯ）によって正式に「オミクロン株」と命名された。ヨーロッパ各国でもすでにオミクロン株の感染者が確認されており、世界は厳戒態勢に入っている。多くの国によって渡航制限を受けた南アフリカは無念極まりなく、アフリカのある国の政府要員は、ワクチンを抱え込んでいる西側諸国の身勝手な政策がオミクロン株の出現を招いたと非難している。

西側諸国は新型コロナウイルス感染症を抑え込むためのリソースをほぼ握っていながら、自国におけるウイルスの拡散を防げておらず、より多くの発展途上国をウイルスの攻撃にさらしている。アメリカの免疫学者であるファウチ氏は、オミクロン株がすでに米国に流入している可能性はあるが、まだ確認されていないと述べている。

中国や少数の国々を除き、人類社会における大半のコミュニティーは新型コロナウイルスの感染拡大や変異に適した条件を備えており、新たな変異株のほとんどは短命だが、その一部がより強い攻撃性を持つものへと進化することは避けられない。

欧米がワクチンのみで免疫バリアを作り上げようとするのはリスクのある選択であり、すでにほとんど失敗していると言ってもいい。西側にはワクチン以外の防壁はほとんどなく、オミクロン株が極めて強い感染力を本当に持つならば、今後多くの国が危機に陥る可能性が高い。

中国のゼロコロナ政策はこの間、西側からさまざまな批判を受けてきたが、オミクロン株という新たな脅威に対し、流入を阻止する力を最も有するのが中国だ。ゼロコロナ政策により、中国は万全の防疫システムを作り上げている。その背景には科学的精神と政治の意思決定力があり、さらには強力な社会組織力、広範にわたる一般大衆の協力意志がある。中国は今日の世界でウイルスの蔓延を阻止する金城鉄壁となっている。

西側の社会的特徴からすれば、中国のような感染症対策を行うことが難しいのは理解できる。しかし、西側の世論が中国のゼロコロナ政策を攻撃することは、事実に基づいて真理を求める精神への重大な背信行為だ。特に米政府は感染症との闘いから地政学的利益を得ようとし、あるいは政治的手段で自国の感染症対策の問題点を隠蔽しようとしている。

人類と新型コロナウイルスとの闘いはマラソンのように長く続くものであり、ウイルスは気候変動以上に人類の行動パターンを変えるかもしれない。中国は事実に基づいて真理を求める姿勢で試練に立ち向かい、人々の生命と健康の安全を守るためにどうすれば最も効果的であるか、通常の経済活動を維持するためには何が最善の調整であるかを考え、行動している。

「北京週報日本語版」2021年11月29日