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新疆ウイグル自治区 5つの民族が共に暮らし発展を享受する甬庫団結村
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本誌記者・植野友和 · 2020-12-07 · ソース:北京週報 |
タグ: 新疆;民族;社会 | 印刷 |
新疆維吾爾(ウイグル)自治区は果てしなく広い。今回の取材で一体どれだけの距離を移動したのか、正確な数字は分からないが車や高速鉄道、飛行機まで加えれば1万キロを超えているかもしれない。それでも不思議と疲れを感じないのは、移動中に窓から見える光景が自分にとって生涯初めて目にするものばかりだからだ。荒野の中を地平線まで伸びる道路、風雨で削られ露出した地層が文様のように映える山並み、大平原に点在する少数民族の素朴な住まい――いずれも日本では決して見ることのできない風景であり、どこで写真を撮っても絵になる、魅力に満ちた場所なのである。
しかし、現地の人々にとって、この地の環境はただ美しいばかりではない。生活を営んでいく上で、自然は時に牙をむく。それでも新疆ウイグル自治区ではあらゆる民族が一丸となって自然の脅威を克服し、発展を続けている。
甬庫団結村の村民の住まい
そのような民族の団結を象徴する場所の一つが、庫車(クチャ)県の甬庫団結村だ。453世帯1847人を擁するこの村では、ウイグル族、漢族、哈薩克(カザフ)族、回族、壮(チワン)族の5民族が共に暮らし、力を合わせて産業の成長に努めている。こちらの村では1人当たりの年間平均収入が1万6000元で、今でこそ暮らしぶりにゆとりが感じられるが、かつては一面荒れ果てた土地だった。しかし、厳しい自然環境の中で各民族が共に励まし、助け合って開墾や植林に励んできたことにより、現在では耕地面積1万4567ムー(1ムーは約6.67アール)、梨や綿花、小麦、クルミの栽培を主産業とする豊かな村へと生まれ変わったのだ。
一緒に旅行をした際の記念写真を見せてくれた漢族とウイグル族の夫婦
村民は比較的お年寄りが多く、少数民族のおじいさんやおばあさんは中国で使われている標準語を解さない人も珍しくない。それでも家が隣同士という漢族とウイグル族の夫婦を取材すると、2つの家庭の旦那さんはそれぞれ兄、弟と呼び合う間柄で、奥さんの方は実の姉妹としか思えないほど仲睦まじい。ところが言葉の面では、相手の言語を聞き取れるけれど話すことはできなかったり、単語や簡単なフレーズしか分からなかったりするというのだから、ただただ驚くしかない。しかも、このような関係は団結村でごく普通に見られるものなのだという。
甬庫団結村の肉用牛の飼育場
これは甬庫団結村だけでなく新疆ウイグル自治区全体で言えることだが、取材前に想像していた民族間の摩擦は、自分には全く感じられなかった。同じ土地で生活し、運命を共にする者同士の心の結び付きは、あらゆる困難を克服する。さまざまな観光資源を有する新疆ウイグル自治区では、つい美しい自然や貴重な文化遺産などに目を奪われがちだが、真に見つめるべきものは民族の団結だ。固い結束があってこそ、人々は過酷な自然環境の中でもゆとりのある生活を営むことができる。各民族が共に暮らし、共に発展を享受している団結村は、まさしくそのことを証明しているように感じられた。
「北京週報日本語版」2020年12月7日
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