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小さな苗木に込められた大きな夢を抱くチベット族の若者
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李南 曲傑 · 2020-04-02 · ソース:北京週報 |
タグ: 貧困脱却;西蔵;社会 | 印刷 |
2019年10月16日西蔵(チベット)自治区山南市貢嘎(ゴンカル)県にて、苗畑で笑顔を浮かべる阿新朗苗圃有限公司の扎西班旦董事長
暖かくなるにつれ、樹を植えるのに適した季節を迎えて、扎西班旦さんと彼の会社の従業員たちも忙しくなってきた。
27歳の扎西班旦さんは山南市ゴンカル県吉雄鎮劉瓊村の村民で、阿新朗苗圃有限公司の董事長でもある。
劉瓊村は雅魯蔵布江(ヤルンツァンポ川)中流の北側に位置する。毎年冬、ヤルンツァンポ川が渇水期に入ると、河原が露となる。高原地帯の冬は乾燥していて寒く、ひとたび強い風が吹くと、河原の砂は強風によって空に舞い上がり、砂嵐のような天気となる。かつて山南市から拉薩(ラサ)市へと向かう道路は冬に入ると砂によって塞がれるのが常だった。空を舞う黄色い砂はしばしば劉瓊村にまで及び、人々は頭を悩ませていた。
「私は同じ村の人々が砂嵐のために悩むのも、両親がこのような苦しい力仕事をしていながら収穫が得られないのも、これ以上見たくなかったのです。ただ防風と砂防をしっかりやって、村の平穏を保つしかありませんでした」と扎西班旦さんは語る。
2017年初夏、扎西班旦さんは村民から荒れ果てた農地を借りて、苗畑拠点を開設し、貧困から脱却して豊かになること、そして砂防も可能にした。彼は自らの貯蓄を全てつぎ込んだ上、ゴンカル県の中国農業銀行から15万元の低利息融資を受けて、10万株のポプラや柳の苗などを植えた。
もっとも、苗畑を作るのは決して簡単ではなかった。1年目、扎西班旦さんが植えた苗木のほとんどは枯れてしまったが、弱気になることはなかった。彼は何度もよその苗畑に行っていかに苗木の生育率を高めるかを学び、専門家を会社に招いて従業員に栽培技術を教えてもらった。2018年、阿新朗苗圃有限公司の苗木の生育率は90%に達した。その1年で扎西班旦さんは5000株の柳の苗木を販売した。2019年、彼は追加投資を行い、苗畑の規模を拡大した。
チベット自治区山南市ゴンカル県にある阿新朗苗圃有限公司の苗畑(撮影・曲傑)
扎西班旦さんの苗畑は劉瓊村の砂防に役立っただけでなく、村民に仕事をもたらした。過去3年間に劉瓊村の村民45人が次々と苗畑のおかげで仕事に就くことができ、そのうち60%が元々は貧困世帯の人々だ。扎桑さんはまさしくその1人で、「扎西班旦さんが会社を立ち上げてから、自宅のそばでお金を稼ぐことができ、また年寄りと子供の面倒をみることができるようになりました」と語った。
現在、阿新朗苗圃有限公司の苗畑は日増しに大きくなっている。扎西班旦さんはこれからも苗畑拠点の規模を広げて、より多くの早苗を栽培し、「農業と牧畜に携わるすべての村民の収入を増やしたい」と考えている。
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