8月29日、対談を行うアリババグループの馬雲会長（左）とテスラのイーロン・マスクCEO（撮影・申海）。

米テスラ共同創業者でCEO（最高経営責任者）のイーロン・マスク氏は29日、上海で「私はAI(人工知能)が人間に恩恵をもたらすものであることを望んでいるが、もし人間がAIに勝てないのであれば、AIとチームを組んだらいいのではないか」と発言した。中国新聞社が伝えた。

この日、2019年世界人工知能大会が上海で開催され、国連デジタル協力に関するハイレベルパネルの共同議長を担当するアリババグループ会長の馬雲(ジャック・マー)氏とイーロン・マスク氏との「巨頭会談」が実現した。

馬雲氏は、「私はAIが脅威であるとは思わない。皆はAIの台頭について心配しているが、人間は非常に聡明なのだから、もっと自信を持ってほしい」と述べた。

アルファ碁（Alpha Go）が人間界の名人を打ち破ったことについて、馬氏は、「コンピュータと囲碁を比較することは、まるで自動車と駆けっこを比べるようなもので、極めて愚かなことだ。機械を創り出したのは人間。我々人間は、我々の得意とすることをしなければならない」とコメントした。

AIは人間の仕事を奪い取ってしまうのだろうか？イーロン・マスク氏は、「人間にとって最後の仕事は、AIソフトウェアを開発することになるのではないか。最終的にAI自身がAIソフトウェアを開発するようになるまでは」との見解を示した。

馬雲氏は、人間はそれほど多くの仕事をする必要がないとして、「我々はなぜ、そんなに大量の仕事をしなければならないのか？私は、1週間に3日間、1日4時間働けば十分だと思っている。電気が発明されたことで、人間はより多くの時間(夜間の活動)を持てるようになった。同じように、AIがあれば、人間はより多くの時間を『人間として生まれた』からこそ味わえる楽しみに費やすことができる」との見方を示した。

人間とAIはどちらが賢いのだろうか？この点について、馬雲氏は、「機械がどれだけ賢くなったとしても、それは人間が製造したものだ」と語った。これについて、イーロン・マスク氏はその場で反対の立場を示し、「我々人間は、人間よりさらに賢いものを作ることができる。そして、それは人間とは限らない。賢い人が犯す最も大きな過ちは、自分が賢いと思い込むことだ」と発言した。（編集KM）

「人民網日本語版」2019年8月30日