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「2.5日小型連休」はなぜ激論を巻き起こすのか
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· 2019-07-12 · ソース:北京週報 |
タグ: 連休;消費;社会 | 印刷 |
最近、江蘇省が発表した「消費促進体制メカニズムを整備し住民の消費潜在力を一層引き出すことに関する実施意見」の中で、「2.5日小型連休」の模索が提起された。このことは社会の「2.5日小型連休」に対する新たな議論を呼んだ。関連する統計によれば、既に10以上の省が2.5日の休みを奨励する意見を発表した。
政策を設ける当初の狙いでは、「2.5日小型連休」は人々の旅行を奨励し、さらには消費を促進するためのものだ。まさしく2015年に国務院弁公庁が発表した「旅行投資・消費の一層の促進に関する若干の意見」では、「条件を満たした地方と機関・企業が実際の状況に鑑み、法律に基づいて夏季の生活時間を最適化・調整し、従業員のために金曜日の午後と週末を繋げてレジャーがしやすい条件を創出する」と述べられている。
休暇による消費の牽引効果には限りがあるという専門家の指摘もある。「2.5日小型連休」で増えた休みは金曜日の午後の半日だけで、中国の「黄金週」のような大型連休でなければ人々の旅行や休息での消費は増えないというのだ。
効果があるかどうか、肝心なのは実施後の結果を見ることだ。しかし、どれほど大々的に通達を発して2.5日の休みを奨励したとしても、制度化が実際に行われる所は依然として多くはない。
一般の労働者にとって、休息時間の増加を歓迎しない人はほとんどいない。近年来、都市近郊の短期旅行は次第に盛り上がりを見せ、絶え間なく進化していることに伴い、高級民宿などの新たな業態は昔からの「農家楽」(農家民宿や農家レストラン)に取って代わり、都市住民は短期休暇を利用した近場旅行の消費意欲を持っている。
休暇時間の増加は社会の発展・進歩の客観的な必要条件だ。欧米の先進国の経験からみて、産業社会から脱産業社会へと進み、一般大衆の休息時間はおしなべて増える傾向にある。イギリスの産業革命期、ドイツの第二次世界大戦後の産業復興期は、労働者がごく当たり前に残業をし、休暇時間は最大限削られるという時期を経てきている。しかし、これらの国々が産業社会から脱産業社会へと進み、のんびりと過ごす生活への人々の願いは絶えず強まり、一般大衆の休息時間も自然と増えた。
さらに言えば、中国の国内社会は何らかの政策が打ち出され休息時間が保障されることをより期待しているが、政策は休む権利を拡大する唯一の手段ではない。ある統計は、中国の法定休日と世界の平均水準は極めて近いことを示している。言い換えれば、政策面でより長期の休暇を強く打ち出すにしても、その運用余地は極めて限られているのだ。2.5日の休みの推進も同様に一種の政策による牽引であり、さらなる休暇時間の増加に寄与するのはもちろんだが、広範囲に実施を推進するのは比較的難しく、また国民の休暇水準と質が全般的に低いという問題を一挙に解決するのも不可能だ。
国民の休息時間の長さは社会の豊かさのレベルを表している。現在、中国社会はいまだ急速発展の段階にあり、奮闘は依然として社会の主流を成すものだ。国民の休暇時間が先進国に比べて短いのは、社会の発展水準の投影とみなすことができる。しかし、休暇の方法や制度はより一層の多元化が可能であり、休む権利を確かなものにする社会的意義は共通認識となるべきだ。
社会の「2.5日小型連休」に対する一致した期待は、このような制度がどれほどの範囲で普及するにしても、その方向性は人々のより良い生活への憧れを表したものであることを充分に物語っている。
「北京週報日本語版」2019年7月12日
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