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三菱マテリアルの謝罪はゴールではない
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· 2016-06-02 · ソース:北京週報 |
タグ: 日本企業;賠償;社会 | 印刷 |
メディア報道によると、6月1日、「第2次世界大戦」中、日本に強制連行され過酷な労働を強いられた中国人元労働者の代表3名は三菱マテリアル社と北京で合意書に調印し、三菱マテリアルの謝罪を受け入れ、和解した。この一歩は、中国の民間戦争被害者の対日責任追及と損害賠償請求において重要な象徴的意義を持っている。
和解文書によると、三菱マテリアルは次の4点を行う。①中国人元労働者が人権侵害を受けた事実を明確に認め、中国人元労働者に対する加害の歴史責任を負う、②元労働者及び遺族に対し「誠実に謝罪」し、過ちを悔い改めることを公の場で表明する、③謝罪の印として、元労働者或いは遺族に1人当たり10万元を支払う、④日本に強制連行されて労働を強いられた中国人元労働者の悲惨な歴史を日本の後世の人々が銘記できるよう、被害者が日本で記念碑を建造する費用を負担することを約束する。
強制連行と過酷な労働の強制は、日本軍国主義が対外侵略と植民統治の期間に犯したゆゆしき犯罪行為である。日本の対中国侵略戦争中、約4万人の中国人が日本国内に強制連行された。そのうち3765名が三菱マテリアルの前身である三菱鉱業株式会社及びその下請け会社に引き渡されて奴隷のように酷使され、722名が非業の死を遂げた。
戦争終結から70年以上が過ぎ、当時の被害者たちの多くがすでにこの世を去っている。戦争と過酷な労働強制の被害者のために公正な扱いを求め、正義を広める取り組みはますます差し迫ったものになっている。長期にわたって、日本政府と裁判所は様々な理由で言い逃れをし、中国の一般市民の対日責任追及と損害賠償請求を拒否してきた。その過程で日本側が最も多く繰り返した理由は、「中国はすでに対日損害賠償請求を放棄しており、それには民間損害賠償請求も含まれる」というものだ。
しかしこのような言い分は成り立たない。1972年の「中日共同声明」で、中国政府は日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言したが、それは国家間の戦争賠償に限られており、中国国民の個人的な損害賠償請求権は含まれていない。これが中国政府の民間の対日損害賠償請求に対する正式な立場である。事実、中国側は一貫して、日本が歴史責任を負う態度でこの重大な歴史慰留問題に真摯に向き合い、この問題を適切に処理するよう促してきた。だが日本は故意に「国家戦争賠償」と「民間損害賠償」という2つの概念を一緒くたにしてきた。そこに反映されているのは、日本には侵略戦争に対する深い反省と誠実な謝罪が欠けているということだ。
侵略戦争発動という日本の度重なる犯罪行為はとうに歴史の審判を受けており、その上極東国際軍事裁判は戦争被害者のために法的な面から正義を広めた。しかし日本国内には、侵略の歴史を否定し、美化する政治勢力が存在し、あらゆる手を尽くして国際正義が広まることを阻み、ひいては歴史の正義をひっくり返そうとすらしている。こうした現実の中で三菱マテリアルが間違いを認めたことは、一企業の行為だとはいえ、評価すべきである。中日が歴史的和解を遂げるには、民間の推進力が必要不可欠だ。
まさに和解文書に調印した中国人元労働者の代表が語ったように、「人の命と尊厳は金銭では量れない」ものである。この世を去った命と踏みにじられた尊厳のためにも、一方では正義を広め、その一方で悲惨な歴史が決して繰り返されないようにするべきだ。そして正義を広めることもまた歴史の再演を防ぐことにつながる。三菱マテリアルの謝罪は、正義を広める道のりのゴールではない。(ソース:京華時報)
「北京週報日本語版」2016年6月2日
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