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感動の北京冬季パラ開会式
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本誌記者・植野友和 · 2022-03-07 · ソース:北京週報 |
タグ: 冬季五輪;平和;中日交流 | 印刷 |
北京から世界に届けられた希望の光
数々のドラマが生まれた北京冬季オリンピックの記憶がまだ新しい中、北京冬季パラリンピックが3月4日、幕を開けた。幸運にも開会式を参観する機会を得た筆者は、会場の北京国家体育場(愛称「鳥の巣」)で、その一部始終を目にすることができた。
「勇気、強い意志、インスピレーション、公平」とは、パラリンピックが掲げる四つの価値である。ネガティブな感情にとらわれず、強いメンタリティで乗り越える。困難に直面しても、諦めずに己の限界を突破する。人々に感動を伝え、心を動かす。多様性と創意により、全ての人々が同じスタートラインに立てることをみんなに気づかせるーー。北京冬季パラ開会式では、そのようなメッセージがいかんなく表現されていた。
会場を埋め尽くした観衆は、むろん中国の人々だけではなく、さまざまな国・地域にルーツを持つ方も大勢いて、言語が違えば価値観も同じではない。それでも、開会式に参加した全ての者が、このメッセージを等しく受け止めたように感じられた。本物の感動とは、言葉で説明をしなくても、ただその場にいるだけで伝わるものなのだ。もちろんそれは、張芸謀総監督の優れた演出、各国パラアスリートたちの堂々たる姿、そして主催国である中国の人々の懸命な努力によるところが極めて大きい。
開会式では、胸に熱いものがこみ上げてくる多くの瞬間があった。ボランティアたちの献身的な働きとまぶしい笑顔からは、世界に感動を届けようとする純真な心が感じられた。また、北京冬季オリンピックに続き、情報技術の粋がいかんなく発揮されたパラ開会式は、発展を遂げた現代中国の革新性と洗練された中国の美意識を各国の人々に知らしめた。さらに、新型コロナ下でこのような国際大会を開ける中国の底力と、それを可能とする防疫対策の有効性も、各国に多くのことを示唆した。後は個人的な思いになるが、大会マスコットの活躍も大きな注目ポイントだった。自分は氷墩墩(ビンドゥンドゥン)よりも雪容融(シュエロンロン)推しなので、着ぐるみとはいえ動く雪容融を見られて、ちょっと萌えた。
いま世界が必要とするスポーツの力
いずれも自分にとって印象深い経験とはいえ、何か一つ、最も心に残った場面を挙げるとしたら、やはり聖火リレーは外せない。会場では、パラリンピックメダリストの車椅子の人や片足のランナーなどにより、トーチからトーチへと聖火が運ばれていった。最終走者に至っては、パラリンピック史上初となる視覚障害者、なおかつパラ陸上種目で過去に金メダルを4個獲得した李端氏であり、手探りで聖火台にトーチを挿す姿には、会場のあちこちから「加油!」(頑張れ)という熱い声援が寄せられた。彼らはハンディキャップを負いながらも、決してくじけることなくスポーツで夢を叶え、いま再び北京冬季パラ開会式という大舞台で勇姿を見せた。間違いなく今回の開会式のハイライトであり、きっと会場にいた人々だけでなく、テレビやインターネットを通じて見た世界中の視聴者や障害を持つ方々に大きな希望を与えたはずだ。
約1時間半の式典を通じて感じたのは、各国のパラアスリートを始めとして、中国の人々、大会を支えるボランティア、さらには観衆など、開会式に参加した全ての者の「この大会を成功させよう」という一致した思いである。自分は会場にいた単なる一人の日本人に過ぎないが、そのような人々のポジティブな願いに触れ、感動を覚えるとともに、スポーツが持つ力と可能性を改めて知った。
中国、そして世界の人々が求めているのは、対立ではなく共に未来へと歩んでいくことだ。互いに切磋琢磨し、競技が終わった後には健闘をたたえ、握手をするーーこのようなスポーツの精神こそ、ますます複雑化する今日の世界において、極めて重要な意義を持つ。北京冬季パラリンピック開会式は、そのことを多くの人々に伝えたと、自分は強く信じている。
「北京週報日本語版」2022年3月7日
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