6月30日、江西省新余市にある中国宝武鋼鉄集団有限公司新余鋼鉄集団（以下は「新余鋼鉄」）を訪れ、噂の「鉄鋼が手で破れる」名シーンを見ることができた。技術者が蝉の羽のような薄い鉄鋼シートを持ち、手で小さな破れ目を入れてから軽く引っ張ると、「サーッ」という音とともにシートが二つに分かれた。

鉄鋼は硬さの象徴で、手で破るには薄さがポイントになる。新余鋼鉄のケイ素鋼薄板事業部の欧陽帆副部長は、「手で破れる鉄鋼シートは厚さわずか0.08ミリメートル、一般的なA4サイズの紙1枚ほどの厚さで、世界で最も薄い無方向性電磁鋼板だ」と説明した。

鋼板をここまで薄くした理由は何か。超薄型仕様の電磁鋼板シリーズは、電気機械製品に求められる高い出力密度、高い耐久性、高い回転速度のニーズに応える優れた材料であり、先端医療、ドローン、新エネルギー自動車など多くの重要分野で幅広く応用されている。

これまで新余鋼鉄は0.5ミリの電磁鋼板を圧延する際は、海外の専門家の指導を仰がなければならなかった。欧陽副部長は、「ここ数年、当社は圧延工程、焼きなまし工程、新型材料の開発で数々の探求を行い、多くの技術的難題を相次いで解決し、鋼板の厚さが0.15ミリから0.1ミリになり、さらに0.08ミリになり、技術の限界を絶えず突破し、海外の技術障壁を打ち破ってきた」と振り返った。（編集KS）

「人民網日本語版」2024年7月2日