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急成長の段階に入った中国のエネルギー貯蔵産業
  ·   2023-02-13  ·  ソース:人民網
タグ: エネルギー;貯蔵;経済
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二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標が打ち出されたことを受け、中国のエネルギー貯蔵産業は急成長の段階に入り、新型電力システムを構築する重要な柱になった。

中国電力企業連合会がまとめたデータによると、2022年末現在、中国の揚水式水力発電の総設備容量は4579万kWに達して世界の首位に立ち、複数の関連技術は世界の先端レベルやトップレベルになった。大まかな計算によれば、2023年末に、揚水式水力発電の総設備容量は5千万kWを超える見込みという。

新型のエネルギー貯蔵の面では、10年前に比べ、中国のエネルギー貯蔵で使用するリチウムイオン電池のエネルギー密度は2倍以上になり、複数の重要材料の国産化を実現した。圧縮空気エネルギー貯蔵技術が急速に発展し、フライホイールエネルギー貯蔵は重要技術である大容量のフライホイールと高速モーターのブレークスルーを達成し、ナトリウムイオン電池も頭角を現した。エネルギーのモデル転換が加速を続けるのにともなって、2030年の中国新型エネルギー貯蔵の設備容量は1億5千万kWに達することが予想される。

中国のエネルギー貯蔵産業の規模の拡大と技術の進歩は、エネルギー貯蔵産業の応用コストの緩やかな低下を後押ししている。中国エネルギー研究会エネルギー貯蔵専門委員会の陳海生会長の説明によれば、過去10年間に、中国の新型エネルギー貯蔵コストは年平均で10-15%低下した。そのうち、リチウムイオン電池、圧縮空気のエネルギー貯蔵コストが急速に低下し、揚水式水力発電のコストに徐々に近づいたという。

昼間は屋根に設置した太陽光発電設備が発電し、夜はエネルギー貯蔵電池がオフピーク時間の電力を吸収し、電力利用のピーク時には工場エリアに「お返し」をする――江蘇海基新エネルギー股份有限公司のこの太陽光発電とエネルギー貯蔵が一体化したシステムは毎年、工場の電力コストを大幅に引き下げている。国網無錫供電公司の作業担当者の李向超さんの計算によると、無錫の工業におけるオフピーク時の電力価格は1kWh当たりわずか0.28元(1元は約19.3円)ほどになる一方で、ピーク時は同1.15元前後となる。エネルギー貯蔵でこうしたピーク時とオフピーク時の差を利用すれば、毎年、海基新エネルギー公司の電力コストを50万元から60万元ほど節約することができるという。

これはエネルギー貯蔵の多様な利用シーンの1つに過ぎない。電力システムの電源、電力網、負荷など各プロセスが融合発展することにより、エネルギー貯蔵はクリーンエネルギーの利用水準と電力システムの運営効率を高めるのにつながる。

電源サイドでは、エネルギー貯蔵により新エネルギーのグリッド接続の汎用性と容量によるサポート能力を高め、効率の高い再生可能エネルギーの拠点外への輸送を支援し、従来型電源の調整能力を高めることができる。電力網サイドでは、エネルギー貯蔵はピーク調整や周波数調整など複数のサービスを提供し、システムにおける突発的な事件や故障発生後の回復力を高め、電力網の安全で安定した運営レベルを引き上げることができると同時に、電力網の十分に整備されていないエリアにおける電力供給保障能力を増強することもできる。利用者サイドでは、エネルギー貯蔵は分散型エネルギー供給システムに利用され、エネルギー利用の質を高め、コストを引き下げることを可能にすると同時に、ユーザーサイドのエネルギー貯蔵及び充電・バッテリー交換設備、スマート電力使用設備などを通じて、ユーザーの柔軟な調節能力を高めることも可能にしている。

中関村エネルギー貯蔵産業技術連盟が発表したデータによると、2022年に新たに稼働した新型エネルギー貯蔵プロジェクトのうち、電力網サイドの新規設備容量の規模が最も大きく全体の約47%を占めた。このほか電源サイドが45%、利用者サイドが8%だった。現在の状況を見ると、中国の華北地域と西北地域は新エネルギーの割当て式エネルギー貯蔵が中心で、華東地域は新エネルギーの割当て式エネルギー貯蔵、電力網サイドのエネルギー貯蔵、利用者サイドのエネルギー貯蔵の応用分布のバランスが取れ、南方地域は火力発電の割当て式エネルギー貯蔵が中心だ。

現在、エネルギー貯蔵の大規模化、産業化、市場化発展を加速的に推進することが、エネルギー産業の共通認識になっている。「揚水式水力発電産業発展報告2021」によれば、2025年に揚水式水力発電所の数は200ヶ所を超える見込みで、すでに建設された発電所と建設中の発電所を合わせた設備容量は1億kWレベルへと飛躍的に増加することが見込まれる。予測では、2025年の中国の揚水式水力発電所の設備容量は6200万kWに達すると見られる。これは三峡発電所3つ分の設備容量に近い数字だ。

新型エネルギー貯蔵の面では、国家エネルギー局エネルギー節約・科学技術設備司(局)の関係責任者は、「予想では2025年末に、新型エネルギー貯蔵の設備容量は3千万kW以上に達し、年間平均成長率は50%を超えるだろう。国家発展改革委員会、国家エネルギー局などの当局は、2030年に新型エネルギー貯蔵が全面的な市場化された発展を遂げると計画している」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年2月12日

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