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炭素排出ピークアウト・カーボンニュートラル目標の実施、産業の変革をけん引
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· 2021-06-03 · ソース:中国網 |
タグ: 炭素排出;建築;経済 | 印刷 |
中国四川省成都市でこのほど、環境配慮型の建築について話し合う「2021第17回国際グリーン建築・建築省エネ大会と新技術・製品博覧会」が開かれた。会期中、不動産開発を手掛ける朗詩控股(ランドシー・ホールディングス)の田明董事長は取材に応じ、中国が掲げる炭素排出ピークアウトとカーボンニュートラルという二つの脱炭素目標について、次のように語った。
「中国は、2030年までにCO2排出量を減少に転じさせる『ピークアウト』と、60年までに実質ゼロにする『カーボンニュートラル(炭素中立)』の二つの脱炭素目標を掲げている。この二つの目標は、中国が長年提唱してきた『省エネ・排出削減』の取り組みに沿ったものだが、真に目標を達成するのであれば、業界に根付いた固定概念を覆すだけでなく、市場の原動力も強化する必要がある。同時に、関連業界の管轄当局も、現在の指導方針を見直し、調整しなければならない。
中国は、目標達成を目指して努力している。ピークアウトとは炭素排出の伸び率を抑制することだが、炭素排出量のピーク値を抑えることで、緩やかにカーボンニュートラルの達成が可能となる。仮にこれを効果的に抑制できなければ、近い将来、排出量が大幅に高まる可能性があり、そうなるとカーボンニュートラルの達成は非常に厳しくなるだろう。
今回の会議では、中国の気候特使を務める解振華氏が、建築業界の運営や建設、材料の生産など、建築業界全体から出される炭素排出量は社会全体の排出量の約5分の2を占めていることに言及した。多くの専門家らも、こうした大量の排出を速やかに規制しなければ、ピークアウトのいうピーク値は非常に高い値になるだろうとの見解を示した。
中国にある建築物の大半は老朽化し、エネルギー消費量が多く、運用レベルも低いため、リノベーションするには技術的に大きな困難が伴う。こうした現状を踏まえた上で、いかにして排出量を抑制するかは、二つの脱炭素目標を達成する上で厳しいハードルになっている」
朗詩控股は、グリーン建築分野で培ってきた確かな技術力で、2015年から保有物件のリノベーションに取り組んでいる。リノベーション済みの面積は1142万平方メートルに上り、住宅やオフィス、マンション、ヘルスケア、ホテルなどのさまざまな業態にわたり、豊富な経験と実績を持つ。さらに、傘下の朗緑科技能は、一体化した全プロセス型のグリーン建築技術ソリューションを海外へ輸出することができる。
この会議で「グリーン建築とグリーン金融の専門家グループ」が発足し、田氏が初代主任委員に就任した。田氏は「政府も企業もグリーン金融という概念を重視しているが、グリーン建築とグリーン金融をつなぐ接点はまだ見つかっていない。そこで、両者の間に架け橋を築こうと、このグループを立ち上げた。今後、金融ツールを活用してグリーン建築や低炭素建築を促進し、グリーン建築に適した金融ツールや評価システム、建築分野での炭素取引の方法を研究していきたい。政府の業界管轄当局も、こうした産学連携の研究機関がシンクタンクの機能やつなぎの役割を担ことに期待している」と語った。
田氏はまた、建築業界や不動産業界が目標を達成するためには、後押しする仕組みが必要であり、炭素排出量の算出には、業界で認められた評価システムも必要だと指摘。「明確な評価システムと算出基準があれば、元の建物と比べてどれだけエネルギー消費を節減できたかを計算することができる。節減できた部分を将来的に炭素取引できるようにすれば、低炭素型企業を奨励する一方、高炭素型企業に規制をかけることができるようになる。さらに、この評価システムを住宅・都市農村建設部や不動産局、物価局などの行政部門に提供することで、価格面でグリーン住宅と一般住宅との差別化を図ることも可能となる」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月30日
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