実際、国産品だけでなく、人気の高い国産漫画、国産ドラマも伝統文化のモチーフを借りて再生を果たし、ますます多くの若者が自信に満ちた表情で漢服(伝統衣装)を身にまとい外を歩くようになった。昨年以来、伝統文化や田園生活をテーマにした動画を配信するビデオブロガーの李子■(さんずいに七、その下に木)がネットで大人気になったことも、一種の文化現象だ。日が昇ると起き出し、日が暮れると休むという田園生活の中、李子■はカメラを通じて、伝統的な文房具、四川省の刺繍、キンモクセイの酒などに新たな命を吹き込み、西洋世界に向けて中国の美を発見するための窓を開いた。多くの海外のネットユーザーがしきりに感嘆して、「李子■は私たちが忘れていた中国の文化、芸術、知恵を改めて世界に紹介してくれた」と述べている。
「国潮」ブームの勢いを弱めないためには、現在のような文化的自信を守り続けなければならない。「国潮」の2文字に込められた意義は、業界の枠を超えて融合するビジネス上のイノベーションをはるかに超えている。そのため、企業にとっては、くれぐれも「国潮」を単なる手段とし、マーケティングのためにその勢いを借りようとしてはならない。文化的なマークを並べ立てるだけで、その核心的価値を掘り起こさなければ、文化を敬う気持ちを失い、品質を守り続けられず、「国潮」の中に流れる理念をうまく伝えられないだけでなく、「国潮」のもつ文化的な本質から遠く隔たることになる。国産品ブランドがカーブで加速し追い越しをしようとする道において、こうした文化への自覚をより高めることが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月3日