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「無人ふ頭」の力強い原動力 全自動化ふ頭になった青島港
  ·   2019-03-21  ·  ソース:人民網
タグ: 青島;イノベーション;経済
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40メートルあまりの上空、約60度の角度、10数時間に及ぶ玉掛け作業……これは青島港(山東省)の若いクレーン運転士の王陽さんが、数年前に就職した当時に毎日繰り返していた作業の様子だ。3平方メートルに満たない操縦室で、頭を低くし、汗をぬぐいながら、苦労して技術を習得し、無味乾燥な作業に耐え、さみしさをやり過ごしてきた。「いつになったら頭を上げて仕事ができるようになるのだろう」という古参クレーン運転士の願いがついにかなった。今や全自動化コンテナふ頭となった青島港に、クレーン運転士の姿は見えず、遠隔監視員のポジションがこれに取って代わった。

青島港前湾港区の南岸にある全自動化コンテナふ頭を訪れると、広大なふ頭のどこにも作業員がいない。メンテナンス係の後について高さ約60メートルの足場に上り、港全体を見渡すと、自動運転の電動運搬車が秩序よく走り、操縦室のない玉掛け設備がコンテナ仮置きヤードできびきび動いていた。作業エリアから遠く離れたオフィスビルで、こざっぱりした作業着を着た王さんを見かけた。仕事は足場での風に吹かれ日差しを浴びながらの作業から、オフィスのモニターを「水平姿勢でチェックする」作業に変わった。以前のふ頭なら60人ほどで担う作業を9人でまかなえるようになったといい、労働強度の高い肉体労働者から一変し、ふ頭の「頭脳」を制御する指揮者になった。

仰ぎ見ながらの作業から水平姿勢での作業への姿勢の変化には、生産方法の変革が反映されている。ふ頭の発展プロセスを振り返ると、労働者の肩や両腕で貨物を運んでいた「汗水経済」であれ、熟練した技術者が主導で操作する機械のグラブであれ、人間が一番力の要る一番大変な部分を担わなければならなかった。だが、今は港での積み卸しから水平輸送まで、コンテナヤードでのコンテナつり上げからゲートでのチェックまで、無人ふ頭の業務プロセスはすべて自動化され、作業効率は平均で1時間あたり33.1コンテナに達し、従来の人手に頼ったふ頭を全面的に上回るようになった。コンピューターシステムが自動的に作業の指令を出し、ロボットが自動的に作業を遂行してくれる。無人ふ頭が頼っているのはモノのインターネット(IoT)、スマート制御、情報管理、通信ナビゲーション、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの新技術だ。青島港の試みにより、これまで伝統的産業の代表格とみなされてきた港のふ頭でも、新原動力、新技術、新業態との「深い融合」が可能であることが明らかになった。

天津港を視察していた頃、習近平総書記は、「経済を発展させ、国を強大にするには、交通、とりわけ海運が率先して強くならなければならない。遠い目標を目指し、世界一流のスマート港、グリーン港を構築しよう」と明確に指摘した。体力面での解放が無人ふ頭によってもたらされた目に見える効果だとすれば、技術の変革、生産モデルの改善は港にとって特殊な意義があるものだといえる。体力から知力へ、人間の技術から機械の技術へ、このような自動化や無人化の道筋、スマート化や科学技術化の方向性は、新旧の原動力の転換という必ず答を出さなければならない問いへの回答だ。新原動力の育成、旧原動力の改良・高度化を加速し、自己革命式の発展を実現すれば、世界一流のスマート港を形成し、経済の高い品質の発展の実現に向けて力強い原動力を注入することが可能になる。

実際の行動が根本であり、イノベーションが要になる。次世代のスマート生産コントロールシステムを独自に構築することから、初の自動誘導車自動循環充電技術の創出まで、初のロボット自動解除コンテナ緊締装置システムの創出から、初の吊り下げレール「1キー係留装置」の創出まで……全自動化コンテナふ頭の建設過程で、青島港は40件を超える発明特許を出願した。ここから、発展の主導権を握るには、勇気をもってイノベーションに踏みだし、イノベーションを上手に進めることが必要であり、従来の知識や位置づけに縛られてはならず、自分の分野では大胆にブレークスルーを目指し、いくつかの分野や方面では「カーブでの追い越し」や「異なるルートをたどっての追い越し」を実現しなければならないということがわかる。青島港はさきにスペインのバルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレス2019に招かれ、「世界初の5Gスマート港発表会」に出席し、技術応用の情報を共有し、スマート港建設の経験を紹介し、世界の参加代表から幅広く評価され賞賛された。

青島港を取材する中で、ドイツから視察にやって来た人工知能(AI)の専門家を見かけた。このような対外技術交流は青島港ではもう日常となっている。ふ頭のオフィスビルの操作フロアで、エレベーターを降りると「イノベーションが未来を定義する」というスローガンが目に入り、まるで科学技術企業にいるような気持ちになる。確かに、絶えず更新される技術の優位性、持続的に力を発揮するイノベーションの理念は、労働集約型から科学技術集約型へのモデル転換の試みであり、未来を見いだし、未来を定義するためのやむことのない探求でもある。イノベーションによって橋を架け、スマートによって道路を敷けば、未来はすぐ目の前に、すぐ足元にある。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年3月20日

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