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イタリア橋崩落は日本に警鐘 高度成長期インフラが寿命
  ·   2018-08-23  ·  ソース:
タグ: インフラ;建築;経済
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イタリア北部ジェノバの高速道路の高架橋・モランディ橋がこのほど崩落し、自動車数十台が巻き込まれ、43人が死亡した。この橋は1960年代に建設されたもので、老朽化しているのに十分な修繕が行われず、今回の惨禍が起きたという。現地メディアの報道によれば、過去5年間に類似の事故が10回発生している。日本の状況はイタリアと似ており、この事故は老朽化した日本のインフラに対する警鐘だといえる。 

イタリアと同じく先進国の日本では、1960~70年代の高度成長期に橋やトンネルなどたくさんのインフラが建設された。65年に当時の大蔵省が打ち出した規定(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)によると、鉄筋コンクリート造の橋の耐用年数は50年。つまり高度成長期に建設されたインフラがそろそろ使用期限を迎えているということだ。このタイミングでイタリアの橋崩落事故が起きたため、日本の各界から橋、トンネルなどのインフラの安全性を懸念する声が上がっている。日本とイタリアの共通点は橋がともに50年の使用期限を迎えようとしていることだけではない。2008年の金融危機を受けて財政が困難に陥り、教育や社会保障などの財政予算を維持しなければならない状況の中、公共予算が削減され、インフラのメンテナンス・修繕への投資が減少したことも共通する。京都大学大学院の藤井聡教授(第2次安倍内閣・内閣官房参与<防災・減災担当>)は、「政府は財政困難でも、行政、教育、医療などの社会保障の予算を削るわけにはいかない。そこで緊急性が相対的に低い公共事業の予算が削られることになる。日本では10年前後に何年も続けて公共予算が半分以上削減された。12年12月には中央自動車道の笹子トンネルで天井板のコンクリート板が落下し、その後の調査で長年にわたり修繕が行われていなかったことが重要な原因であるこあとがわかった」と指摘する。

国土交通省がまとめた統計によると、日本には全国で73万本の橋があり、17年には50年の使用期限を迎えているものが23%に上り、25年には48%に増加する。日本の建築技術はこれまで世界トップクラスで、たとえばトルコの第2ボスポラス大橋は日本企業が建築を請け負ったものだ。だが材料や技術の点で、鉄筋コンクリートには一定の寿命がある。また管理メカニズムをみると、日本の橋や道路の約80%は市町村などの地方自治体が管理しており、その多くには安全管理の専門家がいない。

調査によると、東京国際空港(羽田空港)から市街地へ通じる首都高速道路は、64年の東京五輪に先立って建設された。今や海中にある橋脚や橋台は海水による腐食で老朽化し、橋に亀裂が生じたり、路面状態が悪化したりしている。95年の神戸などで起きた阪神大震災により高架橋の大規模な倒壊が発生すると、日本政府と日本道路公団は特定予算を組んで高架橋の補強修繕を進めたが、一般道路や地方のインフラの修繕は十分には行われなかった。統計資料によると、日本では08年に977本の橋が危険であるとして使用停止になり、16年には2559本に増え、わずか8年で2.6倍まで増加した。

12年の笹子トンネル事故を受けて、国土交通省は全国73万本の橋に対し5年ごとに定期点検を行うことを義務づけた。17年末までに1回目の検査が終わり、4段階評価で最も危険性の高い「緊急措置段階」とされたものが400本あり、その大部分がすでに使用を停止し、建て直しが必要とされた。短期的取り組みとしては、「修繕すれば使用可能」とされた橋の修繕作業を強化することになった。だが地方自治体の負担受け入れ能力には限界がある。16年に行われた調査では、地方自治体で橋のメンテナンス・修繕費用をまかなえるところは42%にとどまり、残りの58%は費用を捻出できないという結果が出ている。

現在、深刻な危機があるとして使用を停止された400本だけでなく、危険要因があり早急に修繕が必要な橋も11%に上る。また緊急性のある不具合はないもののメンテナンスが必要な橋は50%に上り、メンテナンスの必要がないとされたものは39%にとどまった。日本の元総務大臣で岩手県知事を3期にわたって務めた増田寛也氏は、「今後は中央政府が専門家と特定予算を配分して、重要施設の安全点検を強化する必要がある。また民間企業に委託して中小規模の設備の検査メンテナンスを行う必要がある」と指摘する。(編集KS)

「人民網日本語版」2018年8月23日

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