「活力」の分野では、G20マクロ経済政策を強化することで経済活力を保持し、通貨・財政・構造改革措置を総合的に運用し、成長の促進と信頼の安定を目指すことが提出された。世界銀行と国際通貨基金の改革推進、BEPS(税源浸食と利益移転)対応を含む枠組み構築、国際金融監督管理体制のさらなる推進、先進国による気候資金拠出承諾の督促、主権債務再編体制とグローバル金融セイフティネットの完備など、グローバル経済のガバナンスのさらなる改善によって経済を活性化するとともに、グローバル経済の活力と持続可能性を高めるための制度上の保障が提供される。
「連動」については、G20が利益共同体意識を確立するのを推し進め、各国経済の密接な良性連動を強め、協力を通じて課題を乗り越えていく。特に、「一帯一路」(the belt and road)の提案との結合によって、MDBs(国際開発金融機関)による対インフラ投資が拡大し、世界のインフラ相互接続レベルを向上させ、情報が自由に行き交い、調和した構造を備えた、プロジェクト協力の新プラットフォームが構築された。
「包摂」の面では、G20構成国が、経済成長、特に、中小企業の発展における包摂性を高く重視するよう促した。また、税収の増加を重要課題の一つに据え、G20構成国が発展途上国の税収分野での能力向上を支援するよう促し、これらの国が国内資源を活用して成長促進能力を強化することを目指した。
今年に入り、国際経済金融情勢は厳しい試練に直面するようになり、リスク因子も次から次へと生まれている。財政金融ルートは、G20構成各国がマクロ経済政策で調和を保ち、経済成長と金融市場安定を促進するよう、最大限の努力を尽くす。具体的な措置は次の通り。