推定建設費の違いから自己資金調達を検討するのは、もともと企業の付き合いには最もよく見られる駆け引きの一環だ。中国は相互に連結した運命共同体を作るために努力してきたが、それは中国が赤字になってもいいから他国の鉄道建設を支援するということではない。ビジネス上の付き合いで、どちらかが一方ができる限り安く上げようとするのはよくあることだ。今回中国が「どのような資金調達方法でも構わない」という姿勢を示したことで、タイも中国が提示していた融資金利条件がギリギリのラインだったか否かを理解したのではないか。
中国タイ鉄道に関して、中国が利益の限界ラインを固守し、表面上の成功を盲目的に追求しなかった点は心からの評価に値する。なぜならこれは「実の兄弟でも金銭の計算は他人」といった問題であるだけでなく、長期的な協力の問題だからだ。「どんな資金調達方法でも構わない」という姿勢は協力に対する中国の最大の誠意の表れであり、投資利益の面で最大の譲歩をしたということでもある。汎アジア鉄道が延長されるにしたがって、中国と他国との協力も続々と行われるだろう。利益の最低ラインを完全に切ってしまうようなやり方がどうして聡明な行為だと言えようか。推して知るべし、である。
「北京週報日本語版」2016年3月30日