長年、民族楽器のPRに力を入れているチャルメラ演奏家の胡晨韵氏は、「『自得琴社』の動画が中国国内外で大人気になっているのは、中国文化と美学的ビジュアルを見事にコラボレーションさせているから。中国国内外のネットユーザーは、民族音楽を聞きながら、中国の伝統衣装や歴史を鑑賞することができる。それは、中華文化の対外PRにおいて有益な役割を果たしている。みんなが一緒に伝統をしっかり守りながら、イノベーションも行っており、中国の民族音楽は進歩しながら発展を続けている。そして、多くの人が中国の民族楽器が心から好きになり、民族音楽を学ぶ外国人がますます増えている」との見方を示した。
胡氏は昨年、民族楽器コンサート「吹破次元」を開催。アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマ「ブルーバード」やスラムダンクの主題歌「君が好きだと叫びたい」など、80後(1980年代生まれ)や90後(1990年代生まれ)の青春時代の思い出が詰まる楽曲を披露した。同コンサートには、そうした世代の多くの人々が子供を連れて参加した。同コンサートは、「大衆性」や「普及性」を際立たせており、「吹破次元(民族楽器で次元を越える)」というタイトルには、ハイクオリティなコンサートを通して、コンサート会場に来たことのない人、民族楽器を演奏するコンサートに来たことがない人を呼び込みたいという思いが込められていた。 胡氏は、「僕たち数人の演奏家だけで、民族楽器の演奏を引き上げると、その道は逆にどんどん狭くなる。ネット有名人になっている伝統音楽関係の投稿者も、プロの伝統楽器演奏者ではないが、若者がその流れを好んでいるということは、とてもいいことだ」との見方を示す。
「自得琴社」の朱里鉞社長が、「以前、外国人は、イブニングドレスを着てクラッシックコンサートを聞きに行っていた。今、伝統文化を愛する中国の多くの若者は、中国の伝統衣装を着て、中国の伝統音楽を聞きに行くようになっている。それは、文化に対する自信の具現化だ」と話すように、どんどん「オシャレ」になる中国の民族楽器の演奏を愛する若者がどんどん増えており、それが今後の「トレンドリーダー」となっていく気配を漂わせている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年1月12日