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どうして月の裏側まで行かなければならないのか?
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· 2019-01-08 · ソース: |
タグ: 嫦娥4号;月探査機;文化 | 印刷 |
中国の無人探査機「嫦娥4号」が北京時間3日午前10点26分、月の裏側の軟着陸に無事成功した。探査機が月の裏側へ着陸したのは世界で初めてとなり、月の裏側と月面ステーションから中継衛星を経由した通信も初めて実現している。月は自転と公転の周期が同じであるため、人が見ているのは常に月の正面側となる。1959年に旧ソ連の無人月探査機「ルナ3号」が世界で初めて月の裏側の不鮮明な写真を撮影してから、今回の「嫦娥4号」の月の裏側への着陸成功まで、人類による月の裏側の探索は続けられてきた。では、人類はなぜ月の裏側を探索する必要があるのだろうか。
月の自転周期と、月が地球の周りを回る公転周期はほぼ等しく、地球の潮汐力の影響を受けていることから、地球の強い引力に引かれ、月は常に同じ面を地球に向けている。そのため、人類が地球上から見ているのは常に月の正面となり、月の裏側は永遠に見ることができない。さまざまな月探査機が撮影した写真を見ると、月の裏側は美しいものとは言えず、隕石などの衝突によるクレーターの数が月の正面よりも多く、至る所に密集した「あばた面」となっている。また、月の裏側には「シワ」も多く、谷間や峡谷、崖が多く見られる。一方、月の正面側は相対的に平坦な場所が多くなっている。さらに、月の裏側の地球の地殻に相当する月殻は正面側と比べて分厚くなっている。月殻の厚さが異なる原因はこれまでも様々な説が唱えられてきたが、未だに天文学界における未解決の謎のままだ。
1950年代から、探査機が月に発射された回数は100回以上を数える。しかし、着陸後に探索が行われることは、月の裏側では今まで1度もなかった。そのため、今回の「嫦娥4号」着陸は人類史上初の試みとなった。
月の裏側に着陸した 「嫦娥4号」は、他にも多くの科学的目的を担っている。月にはクリープ性地質と、斜長高地岩地体、南極エイトケン盆地の3大地質構造がある。前の2つの地質構造は米国と旧ソ連はすでに視察・探索を行っているが、南極エイトケン盆地については近距離での探索がこれまで1度も行われていない。そのため、このエリアの探索は今回が初めてとなり、数多くの科学的な新発見が期待されている。
月の裏側に行くのにはもう1つ非常に重要な理由がある。それは、低周波電波観測の実施だ。この目標は、天文学者たちが夢にまでみた分野であり、今回はこの低周波による電波観測という天文学分野における空白を埋めることになる。シールド効果の関係で、地球表面では低周波電波の観測を行うことができず、また月の正面は地球の磁場環境から影響を受けるため、低周波電波の観測効果も理想的ではない。一方で、月の裏側は磁場環境からの影響を受けないため、最適な観測場所とされている。もし、この自然の地形に望遠鏡を設置できれば、天文台をそのまま月の裏側に運んだような効果を発揮することができるようになる。
宇宙関係者の髪はフサフサ?
人々が月の裏側の映像に注目している中、一部のネットユーザーたちはなぜか別のことに注意を傾けていた。それは西安衛星観測コントロールセンター佳木斯スペースステーションの第一線で働くエンジニアたちのフサフサの髪だ。
この現代の若者たちにとって最も差し迫っている話題はすぐさまSNSに投稿されることとなった。そしてその投稿に多くの「薄毛に悩む」ネットユーザーたちは、「第一線の研究者たちは若く、髪の毛もまだふさふさ。知識も技術もあり、まさに現代のお手本だ」や「第一線の研究者たちは、全員が禿げているわけではない。若くて仕事ができる上、ふさふさの髪の毛があるのは本当に羨ましい」などとコメントした。
こうした奇妙なコメントが続く中で、話題の的を再び月に戻そうと試みたネットユーザーもいた。彼らは 「嫦娥4号」の月探査機の公式微博の名前が今も「嫦娥4号月探査機」のままであることを発見し、「月探査機はもう月の着陸に成功したのに、まだ正式名をつけないのはなぜ?」とコメントした。
そのコメントにはすぐに別のネットユーザーから回答が得られた。その回答とは、「研究者たちがどうやってふさふさな髪を保っているかこれで理解できたよね?」や「研究者たちは、正式名を考えるなんて禿げるようなことはしない。フサフサの髪を保つため、順番通り1、2、3、4番でいいってこと」といったものだった。そしてその数日後、「嫦娥4号月探査機」の名前の一般募集の結果が発表された。結果はネットユーザーたちの予想が的中し、順番通りの「玉兔2号」と名付けられた。(編集TK)
「人民網日本語版」2019年1月7日
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