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「慰安婦」テーマのドキュメンタリー映画「二十二」、存命はわずか6人に
  ·   2018-10-12  ·  ソース:
タグ: 慰安婦;ドキュメンタリー;文化
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 「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー映画「二十二(TWENTY TWO)」がこのほど、微博(ウェイボー)で発表した寄付金詳細を見ると、コストを差し引いた興行収入の收益などおよそ1008万元(1元は約16.17円)が、上海師範大学教育発展基金会の「慰安婦研究・援助」プロジェクトに寄付された。郭柯監督は9日の取材に対して、「収益はすでに寄付したが、中国全土で今も存命の元慰安婦は14人で、同作品に出演した22人のうち存命しているのはわずか6人であることは本当に心が痛む」と話した。北京青年報が報じた。

上海師範大学中国慰安婦研究センターに寄付した理由について、郭監督は、「『慰安婦』について研究している蘇智良教授が同大学におり、そこに特定項目基金を設立するのが最適だ。そうすることで、慰安婦問題の研究を推進することができる」と説明。「現在、『声明』は既に出したが、提携に向けた最終調整をしているところで、共に話し合ったうえで、専門家らが基金をうまく手配して、必要なことに使ってくれるはずだ。僕は自分の本業の仕事に戻る」と話した。

借金して撮影しクラウドファンディングで公開にこぎつけた「二十二」 

「二十二」は、中国侵略戦争中の旧日本軍の「慰安婦」だった中国人女性の現在に迫る長編ドキュメンタリー映画で、元「慰安婦」22人が出演している。また中国で公開が許可された初の「慰安婦ドキュメンタリー」でもある。17年8月14日に公開された同作品は、それほど期待が高かったわけではないものの、蓋を開けてみれば興行収入が1億5000万元を超え、中国国産ドキュメンタリー作品の興行収入記録を塗り替えた。

12年、郭監督は、元「慰安婦」の韋紹蘭さんを紹介する文章「ある元慰安婦が生んだ日本人の子供」を偶然読んだ。時は1944年、当時20歳だった韋さんは旧日本軍に連行され、慰安所に連れていかれた。3ヶ月後のある日、韋さんは隙を見て、慰安所を逃げ出したものの、後で妊娠していることに気付いた。お腹にいるのは日本人の子供だ。韋さんは死んでしまいたいと思い、農薬を飲んだものの、近所の人に助けられた。その息子・羅善学さんは今70代で、韋さんと2人で生活している。結婚してくれる女性がいなかったため、羅さんは生涯未婚だった。

中国で「慰安婦」問題を研究する第一人者である蘇智良教授のサポートの下、郭監督は、韋さんにすぐに会うことができ、短編ドキュメンタリー「三十二」を製作した。その時から、郭監督は「慰安婦」を異様な目で見るのではなく、やさしい目で見ることができるようになったという。「三十二」の製作終了後、元慰安婦が次々にこの世を去るのを目にし、「二十二」の製作を計画するものの、資金提供者を見つけることができずに困っていた時に、女優・張■芸(■は音へんに欠)が支援の手を差し伸べ、100万元を貸してくれたという。その後約2ヶ月で、郭監督は5省の29地域に足を運び、元「慰安婦」22人をカメラに収めた。

撮影も苦労したが、公開できたことも奇跡だったと言える。2015年10月、「二十二」の上映許可証を取得し、中国では「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー映画としては初めて公開されることになった。しかし、郭監督は、同作品を携えてさまざまな映画祭に参加したものの、公開できるだけの宣伝・配給費用を集めることができず、17年に、クラウドファンディングにより3万2099人から100万元をやっと集めた。そして、公開するために必要な製作費用に20万元を使い、残りの80万元を宣伝・配給費用にあてて、同年8月14日についに公開にこぎつけた。

それほど苦労して公開までこぎつけた映画「二十二」は見る人々の心を打ち、公開初日はスクリーン占有率が1%だったものの、1.5%まで増え、1日当たりの興行収入が300万元を超え、公開6日で興行収入が1億元を超えて、中国で初めて興行収入が1億元を超えたドキュメンタリー映画となった。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年10月12日

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