日本の中谷元防衛相は13日の記者会見で、日中両国政府が12日の協議で、緊急時に連絡を取り合う「海上連絡メカニズム」の早期運用開始に努めることで合意したことを明らかにした。メディアが伝えた消息筋の話によると、順調に行けば4月に運用を開始する。上海国際問題研究院アジア太平洋研究センターの廉徳瑰副センター長は13日「中日が今回の協議で合意にいたったことの意義は重大だ」と述べた。環球時報が伝えた。
共同通信社によると、連絡メカニズムには釣魚島(日本名・尖閣諸島)などをめぐる不測の事態の発生を防ぐ狙いがある。以前は「海上」で海空域の事態を想定していたが、具体的な協議対象を明確化するため、今後は名称を「海空連絡メカニズム」に改める。日本防衛省によると、双方は事前に決めた無線の周波数を使って連絡を取り合う仕組みや、防衛省と中国軍上層部との間のホットライン設置について技術的な協議を行い、一定の共通認識にいたった。BBCによると、双方の国防当局はホットラインの設置、および係争島嶼近くの艦船と航空機が共通の無線の周波数を使用することで原則合意した。
共同通信社によると、双方は元々、合意済みの事項から先行して運用を開始する計画だったが、今回詳細を詰めた後に改めて全面的な運用を開始することでも一致した。釣魚島をめぐる問題や、昨年立て続けに起きた中国軍機による自衛隊機への「異常接近」などは議論の対象にならなかった。
「大きな一歩だ」。中谷氏は協議の成果をこう評価した。NHKは「東中国海など周辺海域と領空で不測の事態が発生する危険性は非常に高い。緊急連絡メカニズムが両国の『相互不信の芽』を摘み取ることを期待する」との中谷氏の発言を報じた。中国国防部(国防省)は13日「中日両国防衛当局は今回の協議を基礎に必要な調整を行った後、メカニズムの早期運用開始を目指すことで一致した」と表明した。
日本の安倍晋三首相は13日に官邸で中谷氏と会談し、中国側との協議を継続し、緊急連絡メカニズムの早期運用開始を目指すよう防衛省に指示した。日本経済新聞によると、日本側はまず課長級協議で大枠を詰めたうえで、局長級に格上げして共同文書に署名し、正式に運用を開始する考えだ。NHKによると、日本側は今後専用ホットラインの設置について協議を詰めることを望んでおり、早ければ今年夏、遅くとも年内に運用を開始することを目指している。
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