中国の軍事費の比較的速い伸びは埋め合わせ的なものである。これは実情だ。われわれは中国が他の大国との間で現在最も競争力を備えているのが依然経済分野であり、中国の米国に対する経済的挑戦は軍事的競争を遥かに上回るものであることに難なく気づく。これは米国の議員が人民元相場により多く圧力を加える一方で、中国の軍事費の増加についてはいまだに余り重く見ていないことの理由とも言えよう。
かつての米軍とソ連軍の比較を見てみれば、もっとはっきりする。ソ連は経済規模が米国に遥かに及ばない段階で、軍事力では米国と肩を並べていた。これこそ軍拡競争と呼ぶのだ。今日の中国には当時のソ連のような戦略面の野心はない。だから中国の軍事費は「自然に増加している」と言うのであり、米国と対抗するために増えているのではない。
中国は平和的発展を望んでおり、通常の経済的手段、外交的手段では解決できない難題を軍事的手段によって解決しようとは考えもしない。だが中国の軍事力は国家の安保戦略の内在的必要と見合ったものでなければならない。さもなくば、われわれを乱暴に扱う口実を他国に与え、われわれは激しい反撃を余儀なくされ、平和は危険にさらされる。
中国の軍事費に関する外国の議論は当面はまだ破壊力を持たない。中国政府は国内の意見により注目し、年々増加する軍事費を国防発展の要に充てるとともに、軍事費の用途の一層の透明化によって大衆の信頼を揺るぎないものにし続けるべきだ。
中国は新たな先進的兵器を開発し続け、かつ速やかに配備すべきだ。こうした国防建設は最も大衆を引きつけるし、軍事費の使用効率に対する大衆の疑念も最もよく解消できる。長期的に見ると、国防の発展に対する大衆の支持はどんどん重要になる。そして国防について国内で強大な共通認識を保つことは、外国世論および各種の圧力を防ぎ止めるうえでの基礎的な支えとなるのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年3月6日
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