野田首相が2日間の訪中を終えた後、今回の訪問に対し日本の主流メディアは「ある程度の進展はあった」と報じただけで、特別楽観的な評価はしなかった。
民主党政権になって初めて中国を訪問した日本の野田佳彦首相は今回の訪問でどれだけ実際の成果をあげたか?昨年の船衝突事件で冷え込んだ両国関係を元の軌道に戻せるか?中日間の領土、東中国海など未解決の懸案に積極的な役割を果たせるか?今回の訪問について、日本のメディアの多くは「友好が先行し、懸案は未解決」との見方を示した。
◇中日の懸案に進展なし
朝日新聞は、中国国債の購入など金融協力や両国の海洋当局による協力など一連の協議で合意したものの、懸案に関しては進展はなかったと伝えた。野田首相は「東シナ海」のガス田共同開発をめぐる交渉の早期再開を要請。震災後の日本産食品や農産物に対する中国側の輸入規制の緩和や解除も求めたが、中国側から具体的な回答はなかったとした。
中国側は野田氏を「歴史問題で強硬な立場を取る」タカ派と見て、強い警戒心を抱いている。中国を不安にしているのは野田政権の南中国海問題をめぐる政策だ。野田氏はフィリピンのアキノ大統領との会談で、海上保安庁の巡視船を派遣する方針を固めた。こうした米国に同調し、共同で干渉する行為が、中国側の不満を招いている。
◇懸案の氷は厚い、1回の訪問で解決はムリ
中日の有識者は、両国間に存在する領土問題、東中国海問題など懸案は長い間未解決のため氷が厚くなっており、1回の訪問で解決できるはずがないと指摘する。近年、両国の国民感情も政治関係の起伏にともない大きく変化している。特に去年の船衝突事件でさらに関係は冷え込んだ。
また、日本の政局が不安定であることも中日間の難題を解決する大きな障碍となっているという。ほぼ年に1度の首相交代という奇怪な現象により、日本の対中政策の方針が変わるからだ。
安倍政権と麻生政権はそれぞれ「価値観外交」と「自由と繁栄の弧」という構想を推進し、アジア太平洋地域での対中包囲圏構築を目指した。
鳩山政権は大鉈を振るって「東アジア共同体」、「脱米入亜」をやろうとしたが、結果的には自らの政権安定が危うくなり、早々に退陣を余儀なくされた。菅政権は鳩山路線を修正し、日米同盟の旧方針を再度重視したが、船衝突事件や東日本大震災の影響で、中日関係はまったく進展しなかった。
一方、現在の野田氏はこれまでの言動から、日米同盟強化、価値観外交の推進、中国けん制の兆候がみられる。こうした状況の中、中国側が日本政府に対して「様子見」する姿勢をとり、懸案解決に積極的でないのも無理はない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月28日 |