アジア太平洋協力会議(APEC)首脳会議のためハワイを訪れている中国の胡錦濤主席は、米大手企業の経営者らと会談し、貿易や知的所有権の保護、世界2大国家が直面する課題などについて意見を交わした。
会談を主催したアメリカ商工会議所のトーマス・ドノヒュー会頭は、欧州債務危機や中米における雇用創出の重要性、知識所有権などについて会談したことを明らかにした上で、「双方が望む、有意義な話し合いができた」と述べた。
環太平洋経済連携協定(TPP)問題に関して、中国商務部の兪建華部長補佐は、「中国は現時点でいかなる国、組織からも誘いを受けていない。しかし、誘いがあれば、真剣に検討したい」と述べた。
経済回復のカギを手に入れたいアメリカ
欧州が危機に陥る中で、アメリカ経済回復のカギはアジアが握っている。再選を狙うオバマ大統領は何とかしてアジア各国との関係を強化しようとしている。
ハワイ出身のオバマ大統領は地元民として、日本、中国などアジア国家の首脳を接待し、太平洋両岸に位置する国家間の貿易関係改善のチャンスをうかがうに違いない。
アジア各国の機嫌を取ることこそが、アメリカ経済が今採るべき行動である。欧州債務危機が深刻化し、アメリカ経済の回復も危険な状態にある。ジョージタウン大学のチャールズ・カプチャン教授は、オバマ大統領が再選できるかどうかは経済的業績にかかっているとし、「成長の原動力を探すというのであれば、アジアへの輸出がその答えだ」と述べた。
同時に開催されているAPEC財務相会合に出席したヒラリー国務長官は、「21世紀の世界戦略と経済の中心はアジア太平洋地域にある」と述べた。アメリカは今後10年、外交、経済など多方面で同地域への対応を強化する意向である。
アメリカとAPECのいくつかの国が参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉について、ヒラリー国務長官は、「かなり順調だ」との見方を示した。
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