胡錦濤国家主席(中共中央総書記)と中国を公式訪問しているベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長による11日の会談後、両国外務次官が「中華人民共和国とベトナム社会主義共和国の海上問題の解決を指導する基本原則に関する協定」に調印した。全文は以下の通り。
中華人民共和国政府代表団とベトナム社会主義共和国政府代表団は、中越の海上問題の適切な解決が両国人民の根本的利益と共通の願いに合致し、地域の平和・安定・協力・発展に寄与するとの認識で一致した。双方は海上問題に関する中越首脳の共通認識に基づき、1993年の「中華人民共和国とベトナム社会主義共和国の国境領土問題の解決に向けた基本原則に関する協定」を踏まえ、以下の原則に従い海上問題を処理、解決することで合意した。
一、両国関係の大局を重視し、戦略的・大局的角度に立ち、「長期安定、未来志向、善隣友好、包括的協力」の方針と「良き隣人、良き友人、良き同志、良きパートナー」の精神を導きに、友好的協議を通じた海上問題の適切な処理・解決を堅持し、南中国海を平和・友好・協力の海とし、中越包括的・戦略的協力パートナーシップの発展、地域の平和と安定の維持に貢献する。
二、法理上の根拠を十分に尊重すると同時に、歴史など他の要素も考慮し、互いの合理的懸念に配慮する精神に基づき、建設的姿勢で、共通認識の拡大、溝の縮小、交渉過程のたゆまぬ推進に努めていく。1983年の「国連海洋法条約」を含む国際法で確認された法律制度と原則に則り、双方共に受け入れ可能な基本的かつ長期的な海上係争解決策の模索に努める。
三、海上問題交渉の過程において双方は両国上層部間の合意と共通認識を厳格に守り、「南中国海における各国の共同宣言」(DOC)の原則と精神を真摯に実行に移すべきである。双方は交渉と友好的話し合いによって中越海上係争を解決する。係争が他国に関わる場合、他の係争側と協議を行う。
四、海上問題の基本的かつ長期的な解決策を模索する過程においては、相互尊重、対等性、利益共有の精神に基づき、本協定第2条の原則に則り、双方の立場と主張に影響しない過渡的、臨時的な解決策を積極的に検討する。これは共同開発問題の積極的な研究と話し合いを含む。
五、段階的推進と、容易な事から着手し難事は後回しにする精神に基づき海上問題を解決する。北部湾(トンキン湾)湾口外海域の境界画定交渉を着実に推進すると同時に、当該海域の共同開発問題を積極的に話し合う。海洋環境保護、海洋科学研究、海難捜索・救助、減災・防災を含む敏感性の低い分野での協力を積極的に推し進める。相互信頼の強化に努め、より困難な問題の解決に向けた環境を整備する。
六、政府境界交渉代表団団長定期会合を輪番で年2回開く。必要時には特別会合を開くことができる。双方は海上問題に関する速やかな意思疎通、適切な処理のため、政府代表団の枠組下にホットラインを設置することで合意した。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年10月12日
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