第11期全国政協第3回会議が3日午後に北京の人民大会堂で開幕。パンチェン・エルデニ11世(ギェンツェン・ノルブ氏)も会議に出席した。
パンチェン・エルデニ(パンチェン・ラマ)11世(ギェンツェン・ノルブ氏)は3日、全国政協委員として初めて第11期全国政協第3回会議の開幕式に出席し、4日午後のグループ討議にも参加した。チベット仏教界の若き指導者が、中国政界に正式に姿を現わした。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
パンチェン11世は4日午前8時50分、宗教界第1回グループ討議の開始10分前に会場入りし、入口に最も近い後列の空席に腰を下ろした。非常に控え目な登場の仕方だったので、周囲の注意を引くこともなかった。
宗教界グループの招集者である劉柏年・中国天主教愛国会副主席はこれを見ると立ち上がり、前の席に座るよう促したが、パンチェン11世は「結構です。この席が良いので。政協会議へは初参加で、他の委員から学び来たんです」と謙虚に笑った。
会議中、パンチェン11世は度々メモをとり、討議に加わった。10分間の休憩では、握手や記念撮影をしに近づく委員も少なくなかった。パンチェン11世は微笑みを浮かべ、人当たりが良く、落ち着き、ゆったりと構えていた。
パンチェン11世は記者に「私は即位以来、国家の統一と民族の団結を維持する任務を担っています。今、その責任感は更に強くなっています」と語った。ダンバイニマ全国政協委員(チベット自治区ニンティ地区政協副主席)は「パンチェン11世は午前中は発言しませんでしたが、メモに没頭し、真剣に耳を傾けている姿を見て、心から嬉しく思いました。パンチェン11世はチベット仏教界の傑出した指導者です。彼が最年少の政協委員となったことは、チベット仏教界にとって光栄であり誇りです」と述べた。
パンチェン11世は今年2月3日に閉幕した中国仏教協会第8回全国代表会議で、初の公職である中国仏教協会副会長に選出された。同月28日には、第11期全国政協常務委員会第8回会議で、全国政協委員に選出された。
パンチェン11世、俗名ギェンツェン・ノルブ氏は1990年2月にチベット自治区嘉黎県出身の普通のチベット族家庭に生まれた。1995年に厳格な宗教的手順と歴史的制度に照らして、パンチェン10世の転生霊童として認定され、中国中央政府の許可を経てパンチェン・エルデニ11世を継承した。
「人民網日本語版」2010年3月5日
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