中国共産党の第17期中央委員会第3回総会(3中全会)が9日から12日まで北京で開かれた。総会は中央政治局の委託で胡錦涛総書記が行った活動報告を討議し、「農村改革・発展の推進の若干の問題に関する中共中央の決定」を審議・採択した。
総会は経済情勢を重点に現状と任務を包括的に分析。「わが国の現状は全般的に良好である。経済は比較的速い成長を維持し、金融の運用は穏健で、わが国の経済発展の基本態勢に変更はない。現在、国際金融市場は変動が激化し、世界経済は成長が明らかに減速し、国際経済環境は不確定・不安定要素が明らかに増加している。国内経済の運営においてもいくつかの際立った矛盾と問題が存在しており、われわれは危機感を高め、積極的に試練に対処しなければならない。柔軟・慎重なマクロ経済政策を講じ、消費を中心に内需拡大に力を入れ、経済・金融・資本市場の安定を維持し、社会の大局の安定を維持し、民生事業をしっかりと保障・改善し、引き続き経済・社会のより良くより速い発展を促していかなければならない」と強調した。
また、新情勢下における農村改革・発展の推進に関する若干の重大な問題を討議し、「改革開放30周年にあたって、わが国の農村改革・発展の輝かしい過程と貴重な経験を振り返り、総括し、全党・全社会の認識をさらに統一し、社会主義新農村建設の推進を加速し、都市部と農村部の総合的な発展を強力に推進することは、科学的発展観を踏み込んで貫徹実施し、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な建設において新たな勝利を収め、中国の特色ある社会主義事業の新局面を切り開くうえで、重大かつ深遠な意義を持つ」との認識を示した。
さらに「わが国の農村には新たな変革が生じており、わが国の農業は国際協力・競争への参加において新たな局面を迎えている。農村改革・発展の推進は多くの有利な条件を備えると共に、少なからぬ困難と試練にも直面している。特に都市部と農村部の二元構造がもたらす深いレベルの矛盾が突出している。農業の基盤は依然脆弱で、最も強化を必要としている。農村の発展は依然立ち後れ、最も支援を必要としている。農民の収入増加は依然困難で、最も加速を必要としている。われわれは治に居て乱を忘れず、一層努力し、良好な農村状況を不断に固め、発展させなければならない」と指摘した。
総会は2020年までの農村改革・発展の基本目標と任務として▽農村の経済体制をさらに整え、都市部と農村部の経済・社会発展の一体化体制をほぼ構築する▽現代的農業の建設を著しく進展させ、農業の総合生産力を明らかに高め、国の食糧安保と主要農産物の供給を効果的に確保する▽農民1人あたりの平均収入を08年比で倍増し、消費水準を大幅に高め、絶対貧困層をほぼなくす▽農村の末端組織の建設をさらに強化し、農民自治制度をさらに整備し、農民の民主権利を適切に保障する▽都市部と農村部の基本公共サービスの均等化を大きく推進し、農村の文化を一層盛んにし、農民の基本的な文化権益をより良く達成し、農村の誰もが良い教育の機会を得られるようにし、農村の基本生活保障・基本医療衛生制度をさらに整え、農村の社会管理制度をさらに改善する▽資源を節約し、環境にやさしい農業生産システムをほぼ構築し、農村の生活と生態環境を大きく改善し、持続可能な発展の力を不断に強化する――とした。
また「社会主義新農村の建設、都市部と農村部の経済・社会発展の一体化の新構造を築くには、農村への公共財政のカバー範囲を拡大し、農村の公共事業を発展させ、数多くの農民に教育、収入、医療、高齢者支援、住居を保障しなければならない。農村の文化を繁栄・発展させ、農村の教育事業の成功に力を注ぎ、農村の医療衛生事業の発展を促進し、農村の社会保障制度を整備し、農村のインフラ・環境整備を強化し、農村の貧困扶助と開発を推進し、農村の災害対応能力の整備を強化し、農村の社会管理を強化しなければならない」と指摘した。
総会には中央委員202人と中央委員候補166人に加え、中央紀律検査委員会の常務委員や関係部門の担当者、第17回党大会の代表で農業・農村事業に携わる現場関係者、農業・農村・農民問題の研究者も出席した。
「人民網日本語版」 2008年10月13日
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