昨年、多くの高官が汚職で失職した。全国人民代表大会と全国政治協商会議の開催中、いかに腐敗取り締まりの基盤を固めるかが、代表と委員が関心を寄せる問題の1つとなり、「汚職はなぜ頻繁に発生するのか。腐敗取り締まりの重点をどこに置くか」などをめぐり、権限の行使を適正化し、商業賄賂を取り締まって腐敗を防止するよう呼びかけた。
最高人民法院と最高人民検察院の活動報告によると、昨年、千人近くの県・処クラス以上の幹部が汚職で判決を受け、同2736人が調査を受けた。今年初めに開かれた中央紀律検査委員会第7回全体会議は「今年も引き続き党紀・国法を厳しくし、立件のための調査に力を入れていく」姿勢を示した。
趙国通委員は「中央が腐敗取り締まりを絶えず強化して大きな成果を上げた。だが、一部で腐敗は依然として深刻だ」と強調。
また、一部の代表・委員は「現在の腐敗は常態化された腐敗ではなく、経済体制の転換期に生じる腐敗だ。市場の利益追求の原則が、一部の公務員の価値観にマイナスの影響を与えている。監督と管理が徹底していないため、行政行為と市場行為に厳格な規制が欠けている。そのうえ一部の制度は完備されておらず、権力がより利用されるようになっている」と指摘。
このような背景の下で、制度そのものをいかにして腐敗取り締まりの方向に深めていくか。楊光成代表は「腐敗取り締まりと廉潔の提唱を進め、行政の審査・認可制度や財政管理制度、行政の問責制度を引き続き推進することで、腐敗発生の土壌と環境を根本から減らしていかなければならない」と強調した。
李利君委員は「規定外の報酬や礼金が一貫して党と政府のイメージに影響を及ぼしているが、取り締まりの効果は良くない。深層的な原因を見ると、主に根本的な措置を講じていないことにある」と指摘した上で、「公務員の廉潔政治法」を制定し、法律の規定を通じて、公務員が権力を悪用すれば、高いコストを払わなければならないようにすべきだと提言した。
さらに李委員は「現行の廉潔政治の整備と腐敗取り締まりの規定は抽象的であり、運用性に欠けている。規定があいまいで、禁止については規定していても、違反した場合にどう処分するかについては明確な規定がない」と指摘。
中央政府は2010年までに腐敗取り締まりに関する立法作業を終えると明確に打ち出している。両大会では多くの代表・委員が商業賄賂法の制定を提案し、「これは根本的に腐敗を取り締まる上でプラスとなる」と強調した。
「北京週報日本語版」2007年3月20日
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