中国人民銀行(中央銀行)の公式サイトが5日に発表したところによると、同行の周小川総裁は4日と5日の両日にトルコのアンカラで開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、「目下、人民元の対米ドルレートは安定に向かっており、株式市場の調整もおおよそ実施済みで、金融市場はさらに安定に向かう見込みだ」と述べた。
周総裁は会議で中国金融市場の最近の状況を説明し、「今年6月中旬以前には、中国の株式市場でバルブの状態が蓄積された。3月から6月にかけて、上海株式市場の総合指数は70%上昇した。こうした過程で、投資家のレバレッジ率が急速に上昇するなどの問題が生じ、潜在的リスクや隠れた問題がもたらされた。6月中旬以降、中国株式市場には3回にわたって調整が行われ、1回目と2回目は国際的な影響を及ぼさなかったが、8月下旬に行われた3回目の調整は一連の世界的な影響をもたらした。システムのリスク発生を回避するため、中国政府は一連の政策・措置を取り、これには人民銀がさまざまなルートで市場に流動性を提供することも含まれていた。中国政府の措置により株式市場の暴落や体系的リスクの発生を抑制した。株式市場の調整が行われて以降、レバレッジ率は著しく低下し、実体経済へは目立った影響を与えていない」と述べた。
周総裁は人民元相場について、「金融市場の相互的な影響を考えて、人民銀行は今年8月11日に人民元レート基準値の算出方法を改革し、市場化のレベルを引き上げた。これは人民元レートの市場化改革における重要な歩みだ。さきに米ドルが上昇し、新興市場エコノミーの通貨が軒並み下落したことの影響により、人民元の実質実効レートは上昇した。これと同時に、金融市場の動揺や最近の市場への巨額の流動性注入などが原因で、改革後に人民元はある程度値下がりした。だが中国経済の基本的な側面に実質的な変化はなく、対外貿易は引き続き巨額の黒字を維持しており、人民元に長期的な値下がりの基盤はない」と述べた。
周総裁は、「現在、人民元の対米ドルレートは安定に向かっており、株式市場の調整もおおよそ実施済みで、金融市場はさらに安定に向かう見込みだ」と指摘した。
また周総裁は、「金融市場に一連の変動が生じても、改革を深化させようという中国政府の決意には変化がなく、引き続き秩序をもって各種の改革を進めていく」と強調した。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月6日 |