環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が7月31日に米国ハワイ州マウイ島で行われた。農産品と自動車の市場参入や知的財産権の保護といった重要問題についての話し合いで進展はみられず、合意には至らなかった。新華社が伝えた。
会合は28日に始まり、12カ国が参加した。米通商代表部のフロマン代表は閉会後の記者会見で、「1週間にわたる交渉で目立った進展があったが、少数の未解決の問題については今後も話し合う必要がある。今はまだ次回交渉の時期は確定していない」と述べた、
ニュージーランドのグローサー貿易相は、「TPP交渉にはまだ1〜2のやっかいな未解決の問題が残っている。その一つは乳製品の市場参入問題だ」と述べた。複数の方面が明らかにした情報によると、カナダでは今年10月に総選挙があり、カナダ政府は乳製品市場をこれ以上開放したくない考えとみられ、このために米国や日本などは砂糖や米といった敏感な問題を抱えた農産品の市場参入をめぐって譲歩をしない。だがカナダのファスト貿易相は総選挙がTPP交渉の進展を妨げているとの見方を否定し、「カナダはこれからも交渉に積極的に参加する」と述べた。
交渉に参加する12カ国の中で最大のエコノミーである米国と日本は、重要な農産品の輸入関税と自動車の貿易関税の問題で合意できていない。オーストラリアのロブ貿易・投資相は、「米国、日本、カナダ、メキシコには自動車の貿易関税と原産地ルールで大きなズレがある。またバイオ医薬品と知的財産権保護の問題で、米国は他の交渉参加国と合意できていない」と述べた。
オバマ政権はTPP交渉を早急に終結させ、年内に貿易協定として議会で承認を得る計画をうち出していた。米国では大統領が貿易協定に調印する場合は、90日以上前に議会に通知しなければならない。TPP交渉の妥結の時期が遅れるということは、米議会のTPP審議プロセスが2016年初めにずれ込む可能性があるということで、米大統領選挙の予備選挙の行方に影響を受けることは避けられない見込みだ。米シンクタンク戦略国際問題研究所のシニア顧問アーネスト・バウアー氏は、「米議会が2016年第1四半期(1-3月)までにTPP協定を批准しなければ、オバマ政権の任期内にTPP協定が批准される可能性は低くなる」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版2015年8月2日
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