▽事業拡張の野心
無印は昨年秋、中国で価格引き下げを試験的に行い、107種類の商品を平均17.5%値下げした。無印を展開する株式会社良品計画の松井良三・元会長は当時、「値下げすれば購入者が増える」としていた。
中国市場は無印にとって重要な海外市場で、大規模な値下げの背後には事業を急速に拡張したいという野心がある。公表されたデータをみると、2014年の無印の売上高で海外市場が占める割合が26%に達し、うち中国が10%を占めた。今年3~5月の中国売上高は前年同期比94%増加した。
無印は13年に中国で1千店舗を開設する計画を明かしたが、現在はまだ128店舗で、目標との間には大きな開きがあり、目標達成のためには拡張ペースを速めることが必要だ。計画では、無印ブランドを北京、上海、広州と周辺地域で展開し、毎年5都市に新たに進出するとしている。
小売チェーンに詳しい余傑奇さんは、「値下げはより多くの消費者をカバーし、ルートの普及をはかるためのものだ。無印ブランドは中国市場のますます成長する中産階級に目を付け、市場を獲得しようとしている」と述べた。
ライフスタイルブランドはいずれも巨大な競争の圧力にさらされており、無印のモデルは中国では大いに流行した後に大勢の模倣者を生み出した。Emoi基本生活をはじめとする国内ブランドチェーンが雨後の竹の子のように急速に成長すると同時に、無印は中国の消費者に愛されるアパレルブランドとして、ZARAやH&Mなどのファストファッションブランドとも競争しなくてはならなくなった。淘宝(タオバオ)発ブランド・茵曼の親会社・匯美集団有限公司の蔡穎副総裁はこのほど「1千都市1万店舗」計画をスタートした際、「弊社のオフライン店舗の目標は『無印を追い越すこと』」と宣言した。
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