日本の安倍晋三首相はこのほど横浜海上防災基地を訪れ、釣魚島(日本名・尖閣諸島)周辺海域での中国船の常態化巡航などの状況に言及し、釣魚島をめぐる情勢はかつてないほど厳しくなっていると述べた。軍事専門家の張軍社氏は人民網の取材に「釣魚島情勢は日本が一方的に厳しくしたのであり、釣魚島に関する安倍氏の発言も白黒を逆さまにし、本末を転倒するものだ」と述べた。人民網が伝えた。
共同通信社の報道によると、日本の「海の日」にあたる20日、安倍首相は東京で政府主催の海の日特別行事開会式に出席。南中国海で中国が埋め立てや施設建設を行っていることに鑑みて「強い者が弱い者を振り回すようなことが自由な海においてあってはならない」と述べた。また「いかなる紛争も力や威嚇ではなく、国際法に基づいて平和的に解決すべきだ」と強調した。
安倍首相はその後、横浜海上防災基地に到着。釣魚島周辺海域での中国船の常態化巡航などの状況に言及し、「離島領海をめぐる環境は、かつてないほど厳しくなっている」と海上保安庁の職員を激励した。
■「中国の脅威」を誇張し、安保法案可決の口実に
張氏は、安倍首相の発言には2つの目的があると指摘する。第1に、米国の「アジア太平洋リバランス」戦略に呼応すること。少し前に米軍は南中国海の緊張を誇張したからだ。第2に安保関連法案の可決と集団的自衛権の行使容認に向けた雰囲気作り。安倍首相は先日安保法案の衆院通過を強行して以来、国内で野党と過半数の国民の強い反対に遭い、支持率も過去最低となった。こうした中、「中国の脅威」を誇張し、日本の直面するいわゆる外的脅威を鼓吹するのは、憲法違反の安保法案を可決する口実を作るためだ。
■和平交渉を拒絶し釣魚島の現状を一方的に変更
張氏によると、現在の釣魚島情勢は日本の一方的な現状変更により引き起こされたものだ。2012年に日本は釣魚島のいわゆる「国有化」を行い、中国の強い反対に遭った。釣魚島情勢は日本が一方的に厳しくしたのであり、釣魚島に関する安倍首相の発言も白黒を逆さまにし、本末を転倒するものだ。中国が釣魚島で常態化パトロールを行うのは、領土主権を守る正当な行動だ。中日間にはこの面で係争があり、中国側は早くから和平交渉による係争解決を呼びかけてきたが、日本は一貫して交渉に応じようとしない。従って、問題の一番の原因は日本側にある。第1に、自らもめ事を引き起こし、中国を挑発したこと。第2に、釣魚島紛争をめぐる交渉に応じないことだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月24日 |