李克強総理は6月28日から7月2日にかけて、ブリュッセルで行われる第17回中国・EU首脳会議への出席、ベルギー訪問、フランス公式訪問、経済協力開発機構(OECD)訪問を行う。(文:丁純・復旦大学欧洲問題研究センター長、経済学部教授,中国EU研究会副会長、EUジャン・モネ・チェアー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
EU新指導部発足以降初の中国・EU首脳会議であり、李総理のEU本部訪問も就任後初だ。今回の外遊は新時代の中国・欧州関係の発展をどう推し進め、習近平国家主席の昨年3~4月の訪欧時に確立された中国と欧州の二大パワー、二大市場、二大文明を結合して「平和、成長、改革、文明」の四大パートナーシップの構築と深化に努力するとの戦略方針をどう深化し、実行するかに関わり、EUを始め国内外が強く重視し、幅広く注目している。
中国新指導部発足以来、中国・欧州関係は急速に発展し続け、現在では外交関係樹立以来最良の水準に達し、一連の新たな特徴も呈している。
まず、EU本部とEU加盟国、特に主要な大国と中・東欧の加盟国などへの訪問、およびこうした国々や組織の指導者の頻繁な訪中を通じて、中国新指導部は積極的で有為な、革新的で実際を重んじる対欧州外交を提唱し、実行している。「四大パートナーシップ」という新たな戦略的位置づけによって、中国と欧州の包括的・戦略的協力パートナーシップの内容が極めて明確となった。中国は綱領的な第2の「中国対EU政策文書」を発表し、「中国・欧州協力2020戦略計画」によって今後一定期間の双方協力の目標とロードマップを詳細に定めた。「1ベルト、1ロード」の提唱とアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立計画は、中国と欧州、欧州とアジアという双方間、多国間の協力のチャンスおよび具体的な足がかりを欧州諸国とEUに直接提供した。この一連の措置に欧州側は当然積極的に応じた。EU加盟国のうち14カ国がAIIB創設メンバーとなることがその証左だ。
次に、互恵・ウィンウィンの堅持、包括的協力が中国・欧州関係の持続可能な発展を根本的に保障している。経済・貿易協力を見ると、双方間の貿易額は昨年6100億ドルを超え、前年比9%以上増加した。中国の対欧州投資は過去最高を再び更新し、98億ドルを超えた。中国への主要な技術提供地としての欧州の地位は堅固だ。また、金融、新エネルギー、都市化、環境保護、インフラなど新たな経済協力分野も拡大し続けている。太陽光パネルをめぐる衝突の適切な解決に向けた努力から投資協定交渉の開始まで、「1ベルト、1ロード」の推進とAIIB設立計画からEU戦略投資計画への中国の参加の可能性までの全ての行動は中国が繁栄する欧州、団結したEU、安定したユーロを望み、またそれによるウィンウィンを望んでいることを反映している。
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