14年に日本の対中投資資金は前年比38.8%減少し、2年連続で減少したが、日本企業のほとんどが中国からの撤退はないといい、投資減少の原因は主として人件費の上昇や日本企業の対東南アジア諸国連合(ASEAN)投資ニーズの高まりといった投資環境の変化にあるとしている。日本企業は輸出を国内消費に転換させる、その他のコストを削減するなどの戦略で、中国市場に対応しつつある。
実際のところ、日本の今回の人民元建て債券発行は外部で感じられたほど意外なことではなく、4年前の約束を果たしただけのことだ。11年12月の中日首脳会談で、金融協力強化のための重点措置として、中日双方が東京市場における人民元建て債券の発行を提起している。ただ発行はまだ実現していなかった。
最近何回か行われた中日財務相対話で、中国財政部(財務省)の楼継偉部長は、「財政・金融分野でのこれまでの協力の成果を土台として、関係を持続的に改善するために、新たな金融協力をうち出す必要がある」との見方を示し、日本で、日本の銀行などが人民元建て債券を発行する、人民元と円との直接交換を推進するなどの措置を通じて、中日間の金融協力を拡大することを提起した。
▽人民元国際化がさらに進展
このたびの日本での人民元建て債券発行のもう一方の受益者は中国自身だ。日本という一大関門を突破することは人民元国際化にとって重大な意義がある。また人民元国際化の真の意義は、国際機関投資家や企業が人民元の使い勝手の良さを真に実感し、双方向の流通というルートが開けることにこそある。
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