富士通など、日本の携帯端末メーカーはこのほど、独自の基本ソフト(OS)を載せた従来型携帯電話、通称「ガラケー」の生産を2017年以降に中止し、全端末のOSをスマホの標準である米グーグルのアンドロイドに統一することを発表した。新民晩報が報じた。
これまで「日本製」が、日本のイノベーション能力の証となってきたが、今回の日本の携帯端末メーカーの「ガラケー」生産中止により、日本のイノベーション能力には再び「?」がともっている。
アナリストは、「これは、日本が市場などのソフト分野のイノベーションに鈍感であることと無関係ではない」と指摘している。グローバル化が進む現代社会において、かつて「イノベーション大国」だった日本はどうして、行き詰まりを経験しているのだろう?
大手企業が直面する苦境
一橋大学の鷲田祐一准教授は、著書「イノベーションの誤解」で、「日本の製造業界は1980年代後半から集積回路、ソフトウエア、インターネット、モバイル分野の世界標準樹立競争で4連敗した」と指摘している。スイスのビジネススクールであるIMD(国際経営開発研究所)が発表した2015年 における世界競争力ランキングによると、日本の国際競争力は27位となり、昨年から6位 順位を下げた。
日本の携帯端末メーカーの「ガラケー」生産中止は、日本の製造業のイノベーションの苦境の縮図とも言える。スマホが広く普及していることから、日本だけの特殊な「ガラケー」の研究開発の負担は、各メーカーにとって重荷となっていた。シェア縮小が続き、日本製の携帯は、携帯の売上ランキング上位からも姿を消している。