ウェントザール氏は、「沈没した客船からの乗客救助は人々が想像するよりも遥かに困難で、しかもこの種の救援活動を十分に満たす技術は未だ存在しない」とし、「欧米諸国で発生した事故の事例を含め、各地で発生する海難事故の結末は非常に悲惨なもので、人々を深く失望させている」と語る。今回中国で発生したことに関して、現段階では詳細は不明で、原因や責任は今後さらに調査していく必要があるが、このような大規模な出来事の発生は中国社会の発展レベルをある程度反映しているとし、「21世紀以降の大多数の海難事故が発展途上国で起きており、そこには技術レベルの低さ、管理体制の脆弱さといった問題がある。また発展途上国は人口密度が先進国に比べ遥かに高く、不測の事態が起きた場合に大惨事につながることが多い」と同氏は指摘する。また、社会の安全基準は先進国と発展途上国の大きな違いの一つで、中国の社会安全基準は今迅速に向上しており、中国での炭鉱事故の減少からも分かる通り、中国が大々的に進める反腐敗運動は安全基準の向上に大きく貢献していると語った。
アメリカ・AP通信は2日、「2014年に韓国で発生した客船沈没事故では、発生3日後になってから船内に入って乗客を捜索し、できることは遺体を引き上げるだけという事態となった。この3日間、救援者は何度も船内に進入しようとするも失敗に終わり、ただただ沈没を続ける船体を見つめ、国全体が為すすべがない様子がテレビで流れるだばかりだった。韓国政府は、現場付近の水温は非常に低く、天候の予測も困難なため、救援者の潜水は極めて危険だと伝えていた」と報じ、「今回の出来事では中国の救援者は転覆した船の中から二人の生存者を救出した」とも報じた。
日本のある社会福祉専門家は2日、「環球時報」記者の取材に対し、「日本は自然災害多発国で、航空機、船舶、自動車など、いずれの乗り物も緊急事態発生時に必要な器具への配慮がなされている。操縦士やパイロットの育成においても、船長や機長になるには十分な経験が求められ、突発的な事態発生時には乗客の救助を義務づけている」と紹介した。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年6月3日 |