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中国人研究者、MERS治療薬の研究に進展

中東呼吸器症候群(MERS)の発症者が5月28日に中国で初めて確認されて以来、国内の各方面から関心が寄せられている。復旦大学基礎医学院医学分子ウイルス学教育部・衛生部重点実験室の研究員で、国家「千人計画」(ハイレベル外国専門家プロジェクト)の学者・姜世勃氏と同僚は、MERS治療薬の研究で重要な進展を実現した。中国科学報が伝えた。

研究チームは2013−2014年にかけ、MERSのポリペプチド「HR2P」を設計・測定し、これがMERS-CoV(MERSの原因となる新種のコロナウイルス)の各細胞への感染を効果的に抑制することを発見した。姜氏の研究チームはその後、HR2Pの配列をさらに改善し、新たなポリペプチド「HR2P-M2」を開発。構造の安定性、水溶性、抗ウイルス活性、広域スペクトルが飛躍的に向上した。

さらにチームは世界のコロナウイルス専門家と協力し、MERS-CoVに感染する2種類の小動物を用い、経鼻投与によりHR2P-M2のMERSに対する予防・治療効果を調べた。その結果、HR2P-M2は体内でMERS-CoVに対する高い抗ウイルス性を持ち、致死量のMERS-CoVの攻撃から動物を保護できることが分かった。

姜氏は取材に対して、「現在までの結果を見ると、このポリペプチドは鼻腔噴射法という投薬方法によって、感染の恐れがある人々の緊急予防に用いることができる。これにはMERS-CoV感染者と頻繁に接触する人、特に医療スタッフ、患者の家族、同じ病室の患者などが含まれる」と説明した。

姜氏はさらに、「HR2P-M2はMERS-CoV感染者にも使用できる。感染者が散布する微粒子状のウイルスの数を減らし、感染源をコントロールする効果を発揮できる」と話した。(編集YF)

「人民網日本語版」2015年6月3日

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