こうしたアジアの国々はいずれも建設資金が不足しているため、建設請負国が巨額の資金援助を提供しなければならないことがしばしばある。もしも工事に必要な資金が集まらなければ、プロジェクトの契約にこぎつけても実施しようがなくなる。日本企業のアジアインフラ建設市場のシェア確保に協力し、インフラ設備の輸出戦略を推進するため、日本政府は巨額の資金援助の提供を決定している。
日本の各メディアは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の発起メンバーがシンガポールで重要会議を行っている最中にアジア諸国のインフラ建設への巨額の資金提供を日本が宣言した目的は、巨額の資金援助の提供によって中国の主導するAIIBに対抗することにあるとの見方を示している。
共同通信は、日本政府がこの時期にアジア諸国のインフラ建設への支援を強化することを宣言した背景には、中国がこの地域で存在感を増していることに対する危機感があるとしている。
毎日新聞は、政府がアジア諸国のインフラ建設の支援強化を決めたのは、アジアインフラ建設市場の中国との争奪をさらに強化するためだとの見方を示している。
日本経済新聞は、安倍政権が今になってアジア諸国への開発援助の増加を決定したのは、AIIBの設立成功が日本のアジアでの影響力を弱めることになると危惧し、融資能力を強化して日本の主導権を守るためだとしている。
アジアインフラ建設市場は近年、急速に拡大している。初期的な推算によると、今後10年でアジアのインフラ建設市場規模は8兆ドルに達する。中日両国は、鉄道や道路、橋梁、電力などのインフラ建設市場で激しい競争を展開している。中国がAIIBの発起設立に成功したことは、中国の影響力がさらに拡大していることを示している。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年5月28日 |