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中日比較 日本の在宅介護の現状と模索

 

■「心」を出発点に、高齢者のニーズに注目する

中国人民大学の鄭攻成教授は、かつて次のように語っている。「中国では、少子高齢化による『未備先老(老後の準備が整う前に老いる)』『未富先老(豊かになる前に老いる)』といった問題が伝統的な在宅介護における悩みの種となっている。また、さまざまなスタイルの老人ホームや介護用住宅などが次々と登場している。国内の老人ホームは数千床、時には1万床を超えるベッド数を備えた大型施設を建設する傾向にあるが、これでは高齢者の収容所と化してしまう。実際、ほとんどの高齢者は自分が慣れ親しんだ地域で暮らしたいと望んでいる」。

野口氏も、「いわゆる高齢者向け住宅は勘違いをしやすい」と語る。

「本当に高齢者は専門的な高齢者向け住宅を好きになるのか?どうして老後になって全く新しい環境に慣れ親しまなければならないのか?」と野口氏から逆に質問された。「もし自分だったら、長年慣れ親しんだ家を去って、高齢者のために設計された全く新しい家に引っ越すだろうか?」。

野口氏は、「高齢者が本当に必要としているものは、新しい現代的な設備や環境ではない」と見ている。日本の高齢者は毎日どのように快適に過ごすかを重視する傾向にあり、豪華で美しいといった表面的なものだけを求めているわけではないという。例えば、一部の高齢者は自分で料理することや自分が長年使っている調理器具を使うことを好む。もしこれらが自動化された現代的な家電製品に変わってしまえば、不便に感じるだけでなく、危険をももたらすことになる。

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