中国は日本との競争に注意力を集中させるつもりはなく、日本と消耗戦を繰り広げるつもりもない。中国には、「あなたはあなたの戦い方をし、私は私の戦い方をする」という言葉がある。中国がAIIBを立ち上げたのは日本をやり玉に挙げるためでも、米国をやり玉に挙げるためでもない。中国が自国とアジアの必要を踏まえ、時代の流れの中で行ったことであり、水が流れて川になるような自然なことで、重大な任務だがそれほど困難なことではない。日本が中国と対抗するために1千億ドルを拠出するのだとすれば、中国のしたこととはまったく別のことだ。
日本はアジアで投資や援助を行ってきた経験があるが、目標の設定を誤れば、アジアの中で迷子になる。日本の今日の繁栄は中国と同日に語れるものではなく、投資の力をこれまで対処してきた目標に向けるなら問題はない。だが投資の力を「中国の影響力を押さえ込む」ために用いるなら、血を吐くような努力をしても目的を達することはできない。
調査によると、中国を嫌いだという日本人の割合は日本を嫌いだという中国人の割合をはるかに上回るとう。中国は日本に実質的な損害を与えたことはなく、近代以降に中日が全面的に衝突した場合、日本はいつも世界が認める加害者だった。日本人で「中国を恨む人」は中国人で「日本を恨む人」よりも多いが、これはどう考えてもおかしなことだ。
日本の右翼は日本社会の心情をかき乱し、日本の対中外交は出発点から間違っている。対中関係の歪みは一部の分野では驚くほどで、徹底的に情緒が主導しており、日本自身の長期的な利益から大きく遠ざかっている。
中国人の訪日観光客数は増加している。これは中国社会の本心の現れだ。中国は日本を自分たちの主要なライバルだとはみていないし、関係を改善したい、トラブルなく心安らかにつきあっていきたいと願っている。日本はいつも中国とアジアの主導権を争おうとしているが、中国人はそうしたことにまったく興味がない。中国は「主導権」という言葉が嫌いだ。日本と「主導権」を争うことは、中国にとって偽の命題にほかならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月22日 |