2012年の秋、日本が釣魚島を「国有化」して以降、訪日中国人観光客の数が激減したが、2013年の9月から再び回復傾向へ転じ、その後、連続して過去最高を更新した。
2014年11月19日の日本経済新聞の朝刊は、「2014年7-9月までの訪日外国人観光客の1人当たりの平均消費額は15万8300円だった。総務省の調査によると、日本人の1人当たりの年間平均消費額は123万円だという。つまり、訪日外国人観光客8人の消費額が日本人の年間平均消費額に相当することになる」と報じた。消費額から見ると、中国人観光客は突出している。1人当たりの平均消費額は23万6400円で、訪日中国人観光客5.2人で日本人の1人当たりの年間平均消費額に相当することになる。もし5000万人の中国人観光客が訪日すれば、毎年日本に961万5000万人の消費人口が増えることになる。しかも日本の福利厚生の待遇を享受しない、コストのかからない消費人口だ。このような観光事業の展望は、日本に観光事業がもたらす流動人口によって現在直面している少子化や高齢化の危機を解決するという新しい構想を提供した。そして、このことは、政治家たちに、この新しい構想を実現するための中日友好の環境作りに向かわせた。
これこそが民間交流の力だ。一方では、大勢の中国人が訪日して日本の商品を購入し、勤勉でまじめな日本人の精神や精密な技術、独創的な創意が凝縮された商品を自ら体験し、日本が持つ悠久の伝統的美学である、きめ細かで親切かつ優美な思いやりからなる「おもてなしの心」を享受し、喜びや感動を胸に帰国する。他方では、各国の外国人観光客の消費額を大幅に上回っている訪日中国人観光客の旅行消費額は、日本に景気をもたらしただけでなく、日本に対する無言の賛美を意味している。こういった交流が生んだプラスのエネルギーは、メディアによってクローズアップされたマイナスの印象や大衆心理のほか、政治家の意思や思考の方向性までも変え、さらには日本の国会の雰囲気まで変えてしまった。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月19日 |