中国外交部（外務省）の華春瑩報道官は14日の定例記者会見で、遺棄化学兵器の廃棄作業をさらに加速し、責任と義務をしっかりと履行するよう日本側に促した。

華報道官は「中国での化学兵器遺棄は日本軍国主義者が中国侵略戦争期間に犯した重大な犯罪行為の1つだ。戦争終結からすでに70年になるが、日本の遺棄化学兵器は関係地域の中国国民の生命と財産および生態環境の安全に深刻な脅威と危害を与えている。中国政府は『化学兵器禁止条約』および中国国内における日本の遺棄化学兵器の廃棄に関する両国政府の覚書に基づき、早急に化学兵器を廃棄するよう一貫して日本政府に要求している」と指摘。

「中日双方の共同努力の下、遺棄化学兵器の処理作業は近年一定の進展を得た。中国側はこれまで日本側が中国各地で実施した200回余りの発掘、回収作業に協力してきた。化学兵器5万発余りが安全に回収され、南京、石家荘、武漢、吉林省ハルバ嶺などで化学兵器3万7825発が安全に廃棄された。それでもこうした進展は双方の定めた廃棄計画と比べると明らかに遅く、中国側はすでに繰り返し日本側に懸念と不満を表明してきた」と述べた。

また「化学兵器禁止条約と両国政府間の覚書に基づき、日本側は遺棄国として遺棄化学兵器廃棄の責任を負い、このために必要な全ての資金、技術、専門家、施設、その他の資源を提供する。中国側は協力する」と説明。

「中国側は日本側に対して、責任と義務をしっかりと履行し、人的、物的投入を強化し、人員と中国の環境の安全の確保を前提に、廃棄作業を一層加速し、関係地域の中国国民の生命と財産および生態環境の安全に対する遺棄化学兵器の脅威と危害を1日も早く完全に取り除くよう促す」と強調した。（編集NA）

「人民網日本語版」2015年5月15日