中国製造業は2つのことに挟み撃ちされて、焦りを感じている。「環球時報」が伝えた。
まず直面せざるを得ないのは、人件費、人民元高、貿易障壁などの要因により、メードインチャイナのコスト的な強みが徐々に失われていることだ。消費財である繊維製品や電子製品のメーカーの多くは、過去数十年の間に形作られてきた法則に従って、中国よりも人件費の安い発展途上国に産業を移転させている。
もう一つは、米国をはじめとする先進国が製造業の重要な価値を再認識し、自国の製造業の発展を奨励・支援するようになり、製造業の一部が先進国に回帰し始めたことだ。
一般消費財の分野では、メードインチャイナは押しも押されもせぬ世界一だが、非消費財の分野では一連の低付加価値製品を除いて取り立てて言うべき点もない。製造業強国のシンボルといえる高精度マザーマシン、精密機械、高精度部品、新材料、新エネルギー設備の製造などの分野では、中国のコア製造能力は最近やっと力を発揮し始めたばかりだ。
中国製造業の前半の戦いは好調だったといえるが、後半戦はより一層難しくなることは確実だ。経済のモデル転換への期待が現代型サービス業とハイテク技術がもたらした新業態の発展の上に寄せられているが、これは現実的ではないし可能でもない。国の安全保障、経済発展、雇用などさまざまな要因が先端製造業における中国の「活躍」を求めているが、これは困難な闘いであり、また中国が製造大国から製造強国に移行するために必ず通らなければならない道でもある。
幸いなことに、製造業分野の巨大な変革の波が今まさに押し寄せており、2つのことに挟み撃ちされた中国製造業に新しいチャンスをもたらしている。新たに敷かれたスタートラインが中国の製造業にもたらしたものは、焦りの気持ち、それからドキドキ、ワクワクする期待に満ちた感情だ。こうした流れは第4次産業革命「インダストリ4.0」と呼ばれている。また工業化と情報化が融合した新たな産業革命と呼ばれている。
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