第一に、外部の需要がまだ安定していない。世界経済の低成長を背景に、各国の消費・投資需要は全面的な不振に陥り、国際貿易は成長の原動力を欠いている。一部のグローバル企業は、供給チェーンが長すぎることによるショックを回避するために消費市場の近くでの生産を進め、オフショアの生産拠点を近隣国や本国に移しており、産業チェーンの世界配置はいくらか縮小しており、世界貿易の発展に影響を与えている。世界貿易機関によると、主要70エコノミーの輸出額は今年1-2月、昨年同期比9.1%の減少となり、2009年以来初めて減少した。
第二に、中国の輸出産業の競争力は二重の試練に直面している。先端産業分野では、先進エコノミーは科学技術や人才の強みを生かして新技術の最前線に立ち、「再工業化」促進で国際市場を開拓し、大きな成果を上げている。過去5年で米国の輸出額は年平均9%、EUは同8.2%の成長を達成し、世界全体の輸出の増加速度を超えた。ミドルロークラスの産業分野では、周辺新興エコノミーが労働力や土地など生産要素の低コストの強みを生かし、投資誘致の優遇政策を打ち出し、加工製造業の移転を進んで受け入れ、輸出の急成長をねらっている。対中投資企業の生産能力の一部は、本国の先進国に引き上げられたり、周辺新興エコノミーに移されたりし、中国の競争優位性は弱まっている。
第三に、国際競争の新たな手段が出現している。経済不振に対応するため、為替レートを輸出振興と経済刺激の重要なツールとする国が現れ、自国の通貨価値を下げる措置が取られている。人民元は結果的に大幅な値上がりとなり、中国製品の国際市場での競争力には深刻な影響が出始めている。また一部の国や地域は自由貿易協定を利用し、協定外国の製品を差別・排斥し、貿易規則による障壁を形成しようとしている。自由貿易協定国における協定外国の市場シェアに影響を及ぼす可能性がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年5月7日 |