一人で足を引きずりながら無人地帯に
「人のいない所の景色が最も美しい」。房さんは、「危険地帯」とも言われるチベット高原北部の無人地帯・可可西里も旅行した。 同地では8月でも大雪が降り、見渡す限りに人の姿はない。携帯電話も繋がらない僻地だ。房さんは、徒歩のほか、馬を借りて、その無人地帯を横断した。食べ物も限られ、けがした足をひきずりながらまる1日歩いた日もあったという。
女性が一人で貧乏旅行するとなると、やはり「安全」が一番の問題となる。そのため、乗せてくれる車を見つけるたびに、房さんは車のナンバーをひかえた。「ユースホステルをお勧めする。どんな人がいるか分からないというイメージだが、たくさんの人がいるので逆に安全。次の日の仲間が見つかることもある」と房さん。「ある雨の日、前方に検査所があり、乗せてもらっていた車のドライバーが、そこを避けるために細い道に曲がったので、心臓がドキドキした。その時、勉強している心理学を思い出し、ドライバーの家庭状況などを遠回しに聞いた。幸い、その後国道に戻ってくれ、ほっとした」という。
|