日本と米国はここ数日、TPP(環太平洋パートナー協定)をめぐる交渉を続けており、今月末に予定されている安倍晋三総理の訪米中に、実質的な発展が得られることを切望している。経済参考報が報じた。
今回の閣僚級協議は、甘利明経済再生相と米フロマン通商代表との間で、交渉が難航している問題をめぐって進められている。共同通信社の報道によると、19日夜、両国の代表は、未解決の問題について詳細に話し合い、20日は双方の見解が大きく違う農業と自動車分野の問題をめぐる協議が進められた。
TPP協定交渉は今年で6年目に入ったが、合意に至るまでの具体的な見通しは立っていない。2014年以降、TPP交渉参加国は繰り返し閣僚級協議の場を持ったが、いずれの会合においても大きな進展は得られなかった。TPP交渉は、大きく分けて市場参入と貿易・投資の2大分野が話し合いのテーマであり、現在は、市場参入問題をめぐる話し合いが進められている。
TPP交渉参加国の中の2大経済大国である米国と日本は、自動車と農産物の市場参入をめぐる意見の相違が甚だしく、これが、TPP交渉が停滞するひとつの大きな原因となっている。
米国は、「日本は米国産農産物に対する関税を下げ、米国産コメの輸入枠を拡大すべき」と要求している。一方日本は、豚肉、牛肉、乳製品、砂糖などの分野での国内農業の保護を主張している。
自動車の分野では、日本は米国に対し、日本製自動車部品に対して課されている現行の2.5%関税を撤廃するよう求めている。米国政府は、国内自動車企業からの要求と日本車との競争の圧力を受け、時期尚早の関税撤廃を極力避ける構えだ。また、自動車分野での紛争解決の仕組みをどのように制定するかについても、両国間で意見の一致は見られていない。
|