比米定期合同演習「バリカタン」が20日開幕した。将兵1万2000人近く、軍用機92機、軍艦4隻が参加して30日まで行われる。演習地の1つ、サンバレス州の海軍基地は中国の黄岩島(スカボロー礁)から220キロしか離れていない。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
比米双方は今回の合同軍事演習を大いに喧伝している。フィリピン軍当局は合同軍事演習の目的を「わが国が侵略を受けないための能力を強化する」と主張し、参加人数を過去5年近くで最大とした。米軍の参加人数は6650人で、昨年の「バリカタン」の総数を上回る。米比の参加総数は昨年の2倍近くとなっている。当然、今回の軍事演習に対してフィリピン国内では多くの団体が米軍の参加を「フィリピンの主権の侵害」と批判したうえ、フィリピン軍が米軍としきりに合同演習を実施していながら「依然立ち後れている」ことを問題視している。
見識ある人なら誰もが知っているように、米比の軍事力、装備、訓練水準には非常に大きな隔たりがあり、いわゆる合同作戦を行うことなど全くできず、演習はせいぜい芝居であり、地域の安全の雰囲気をかき乱す以外、何ら実質的意義はない。この点は米比ともによく分かっている。では、今回の比米合同軍事演習の目的は一体何なのか?
まず、最も大騒ぎしているフィリピン側から見ると、演習開始2週間前から早くも演習の規模と地点を大げさに宣伝し始めた。特に米軍の参加人数については公然と誇張し、故意に演習を南中国海係争と結びつけて得意満面だった。フィリピンが米国人を南中国海係争海域近くに引っ張ってきて大規模な合同軍事演習を実施するのは、明らかに虎の威を借りてはったりをきかせるものであり、米国人に頼って南中国海問題における自らの不当な領有権主張と一方的な挑発行為について気を大きくし、自らの無鉄砲な行為の後始末をしてもらうことを望んでいるのだ。
近年、米国が公然とであれ、密かにであれ黙認、煽動する中、フィリピン政府は外務省から国防省まで「南中国海における関係国の行動宣言」の規定を顧みず、南中国海問題で頻繁に狂ったように中国を挑発している。これは1つには指導層内部の闘争に必要なためであり、もう1つには米国に恩賞の授与を求め、米国の新戦略に歩調を合わせて中国を牽制するためである。
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