劉副院長は、「長江デルタ地域と珠江デルタ地域の経済発展には似通ったところがある。サービス業と金融業の発展が速く、ハイレベル・精密・最先端の技術を備えた産業が強く、産業構造の調整にかかる圧力が小さいという点だ。だが両地域がともに直面する問題は、かつての経済成長はすでに昔話で、金融業やハイテク産業における新たな成長源がまだ十分に確立されていないことだ」と分析する。
劉副院長は、「上海市を代表とする大型金融都市は世界経済における位置づけを明確にする必要がある。今後は金融サービスの水準向上に力を入れ、金融の改革を重点的に進める必要がある。上海の自由貿易区建設は一定の成果を挙げたが、引き続き金融分野における産業内貿易からサービス貿易へのモデル転換を実現させ、オフショア金融センターの位置づけを強化し、域外での金融投資と金融サービスを強化する必要がある」と指摘する。
また劉副院長は、「珠江デルタ経済ベルトの最大の強みはハイテク技術産業にあり、華為のような一連の大手科学技術企業を擁し、ハイテク企業の発展をもたらしたことにある。だが問題は地域内で経済発展のバランスが取れていないことで、引き続き産業構造バージョンアップの圧力に直面することになる」と分析する。
中央財経大学財政・公共管理学院の劉恒副院長は、「長江デルタ地域の金融業とサービス業の強みは明らかだが、全体としてみれば、長江デルタのハイテク産業の強みは珠江デルタ地域に及ばない。将来は、ハイテク産業への投資を強化することが、長江デルタの経済モデル転換の方向性になる」と指摘する。
劉副院長はこのほかにも、「これからの長江デルタと珠江デルタの経済発展は、『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略の発展に関連づけられるようになる。これまではこの2つの経済ベルトには戦略的にみて地域の経済発展を牽引する先駆者の役割がより多く与えられていた。今後は世界経済の発展に軸足を置き、1ベルト、1ロードにおける重要な経済的中心地になることが期待される」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年4月16日
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