▽AIIBは「アジアの夢」を後押し
伊藤氏はまた、「中国経済は今や新常態に入った。今後、中国のインフラ産業の国内市場における収益の余地は、昔ほどではなくなってくる。一方、アジアのその他の地域には大きなインフラニーズがあることから、中国のインフラ企業は海外進出の歩みを加速するだろう。AIIBは、生まれるべくして生まれたと言える」と指摘、さらに「習近平国家主席は昨年、アジアで長期的平和、 共同発展という『アジアの夢』を実現することを提起した。『1ベルト、1ロード(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)』戦略とAIIBはまさに、このアジアの夢を実現するための具体的な一歩だ。ゆえに、中国のAIIBにかける意気込みは相当なものであり、経済計画、インフラ建設、投融資などの方面からアジアの地域経済に活力を注入することになるだろう」と続けた。
AIIBとADBの業務内容が一部重複することから、受注競争が招かれるのではないかとの声が上がっていることに対して、伊藤氏は「2つの金融機構にはそれぞれ特色があり、多くの分野で協力が期待できる。また、中日両国は東南アジア地域でそれぞれインフラプロジェクトを持っており、競争と同時に協力も存在している。もし日本の技術面のメリットと中国のコスト面のメリットが組み合わされば、相互補完が可能になり、アジアのインフラ市場を共に開発し、共にアジアに繁栄をもたらすことができる」との見方を示した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年4月9日 |