中国が設立を呼びかけたアジアインフラ投資銀行(AIIB)が、日本でも広く注目を集めている。一部の日本企業は、日本がAIIBに参加しなければ、今後のアジアへのインフラ輸出で不利な立場に立たされるのではと懸念している。北京日報が伝えた。
▽今後のインフラ輸出に懸念
金融危機と福島原発事故の発生以来、日本経済は低迷を続けている。経済回復はここ数年間、日本政府にとって最大の任務となっている。第2次安倍内閣は発足後、経済の再生を内閣の最優先課題と位置づけ、一連の急進的な財政政策と金融政策を通じて民間投資と消費を刺激してきた。
うち、公共インフラ支出増加の面では、日本国内のインフラが長年の開発の末、ほぼ飽和状態であるため、関連企業はインフラがまだ未整備のアジアの他地域に目を向けざるを得なくなっている。日本メディアによると、日本政府はインフラ輸出を経済成長戦略の中核に位置づけ、海外受注額を2010年の約10兆円から、2020年には30兆円に引き上げる目標を掲げている。
しかし、この目標を達成するのはそう簡単ではない。コスト面で優位に立つ中国企業の登場により、日本企業がアジアでインフラプロジェクトを受注するのはますます難しくなった。AIIBというアジアのインフラ市場で今後重要な影響力を持つであろう新体制に日本が参加しなければ、日本企業が今後大きなプレッシャーに直面することは予想できる。こうした懸念から、経済同友会の長谷川閑史代表幹事はこのほど行われた記者会見で、日本政府がAIIBへの参加表明を見送ったことについて「(日本企業の)インフラビジネスが、不利になるようなことだけはないようにしてほしい」と発言した。
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